ルジャンドルの定理
$n!$ に含まれる素因数 $p$ の数は以下のように表される:
${\displaystyle \sum_{i=1}^{\infty}\Big\lfloor \dfrac{n}{p^i} \Big\rfloor}=\Big\lfloor \dfrac{n}{p} \Big\rfloor+\Big\lfloor \dfrac{n}{p^2} \Big\rfloor+\Big\lfloor \dfrac{n}{p^3} \Big\rfloor+\cdots$
ただし,ここで $\lfloor x \rfloor$ は $x$ を超えない最大の整数を表す。


Muirheadの不等式:
各成分が非負で非増加な数列 $a=(a_1, a_2,\cdots , a_n), b=(b_1, b_2,\cdots, b_n)$ と,任意の非負実数 $x_1, x_2, \cdots, x_n$ に対して,$[a]\succeq [b]$ ならば
$\displaystyle\sum_{sym}\prod_{i=1}^nx_i^{a_i}\geq\displaystyle\sum_{sym}\prod_{i=1}^nx_i^{b_i}\\$
等号成立条件は,$a=b$ または, $x_1=x_2=\cdots=x_n$


定理:
すべての原始ピタゴラス数は,$\begin{pmatrix}3\\4\\5\end{pmatrix}$ に対して,3つの行列 $A,B,C$ のどれかをかける操作を何度か繰り返すことで作れる。ただし,
$A=\begin{pmatrix}1&-2&2\\2&-1&2\\2&-2&3\end{pmatrix}$,
$B=\begin{pmatrix}1&2&2\\2&1&2\\2&2&3\end{pmatrix}$,$C=\begin{pmatrix}-1&2&2\\-2&1&2\\-2&2&3\end{pmatrix}$

ピタゴラス数に関する非常におもしろい定理です。この定理の主張と証明を詳しく解説します。


当サイトの管理人が,ルール(定義)と事実(定理)をきちんと区別してほしい! というテーマで、算数の本を出版しました。
本のカバー

自信作です。(特に,数学があまり得意でない方に)書店にて中身を確認していただければ嬉しいです。

2020/02/01
分野: 不等式 レベル: マニアック

Popoviciu の不等式:
$f(x)$ が下に凸な関数のとき,任意の $x,y,z$ に対して(※),

$f(x)+f(y)+f(z)+3f\left(\dfrac{x+y+z}{3}\right)\\
\geq 2\left\{f\left(\dfrac{x+y}{2}\right)+f\left(\dfrac{y+z}{2}\right)+f\left(\dfrac{z+x}{2}\right)\right\}$

※より厳密に言うと「$f$ は区間 $I\subseteq\mathbb{R}$ から $\mathbb{R}$ への関数で,$x,y,z$ は区間 $I$ に含まれる任意の実数」

この記事では,Popoviciu の不等式の意味と,2通りの証明を紹介します。


極座標における回転体の体積公式

極座標平面において,図のように $\theta=\alpha,\:\theta=\beta,\:r=r(\theta)$ で囲まれた,$x$ 軸の上側にある図形を $D$ とする。$D$ を $x$ 軸(始線)の回りに回転させてできる立体の体積は,
$\dfrac{2}{3}\pi\displaystyle\int_{\alpha}^{\beta} r(\theta)^3\sin\theta d\theta$

極座標における回転体の体積公式について,例題と証明方法などを紹介します。


周の長さが一定である図形の中で,面積が最大のものは円です。(等周定理)

等周定理の厳密な証明は少し大変なので,ここでは等周定理に関連して「対称性が高い図形は面積が大きい」というテーマで,高校数学で分かる性質をいくつか紹介します。