最終更新:2019/07/14

たすきがけによる因数分解は覚えなくてもいい

分野: 式の計算  レベル: 基本公式

たすきがけによる因数分解のやり方を復習した後,たすきがけを用いない方法を解説します。

たすきがけによる因数分解

たすきがけとは,二次式を因数分解するための方法です。たすきがけを使って
$3x^2-10x+8$
を因数分解してみましょう。

手順1. かけて $3$(二次の係数)になる2つの整数を適当に決めて左に縦に並べる

たすきがけの手順1

手順2. かけて $8$(定数項)になる2つの整数を適当に決めて右に縦に並べる

たすきがけの手順2

手順3. 「たすきがけ(斜めにそれぞれ掛け算)」する

たすきがけの手順3

手順4. 足し算して $-10$(一次の係数)になればOK

たすきがけの手順4

OKの場合,手順1と2で選んだ4つの数字を使って因数分解できます:
$3x^2-10x+8\\
=(1x-2)(3x-4)\\
=(x-2)(3x-4)$

※足し算して $-10$ にならない場合,手順1に戻って別の候補を探します。

たすきがけを用いない方法

二次式の因数分解は,たすきがけを用いなくても,二次方程式の解の公式を使って機械的に計算できます。

例えば,
「$3x^2-10x+8$ の因数分解」
を考えてみます。

$3x^2-10x+8=0$
という二次方程式の解を,解の公式を使って計算すると
$x=\dfrac{5\pm\sqrt{25-24}}{3}$
$x=2,\dfrac{4}{3}$
となります。

よって,$ax^2+bx+c=0$ の解が $\alpha,\beta$ であるとき,
$ax^2+bx+c=a(x-\alpha)(x-\beta)$
と因数分解できる
という性質(※)を使うと,

$3x^2-10x+8\\
=3(x-2)(x-\frac{4}{3})\\
=(x-2)(3x-4)$
と因数分解できます。

上記の性質は,因数定理を使っても証明できますし,直接
$a(x-\dfrac{-b+\sqrt{b^2-4ac}}{2a})(x-\dfrac{-b-\sqrt{b^2-4ac}}{2a})$
を展開して $ax^2+bx+c$ になることを確認することもできます。

たすきがけを用いない方法のメリット

  • たすきがけは直感で「当たり」を見つける必要がありますが,解の公式による方法は機械的に計算できます。そのため,$32x^2+36x-45$ のように数字が大きい場合も,そこまで時間をかけずに確実に因数分解できます)。
  • (「因数分解せよ」という問題ではきれいに因数分解できるので)解の公式を使っている途中で,ルートの中身が平方数になることを確認できて,自分の計算に自信が持てます。

2変数の例題

例題:
$3x^2+2xy-8y^2-8x+14y-3$ を因数分解せよ。

たすきがけによる解答

$3x^2+(2y-8)x-8y^2+14y-3\\
=3x^2+(2y-8)x-(8y^2-14y+3)$
まず,$8y^2-14y+3$ の部分をたすきがけで因数分解すると,上式は

2変数のたすきがけ

$3x^2+(2y-8)x-(4y-1)(2y-3)$
となる。さらに,上式でもう一回たすきがけを頑張ると,

2変数のたすきがけ2

$(3x-4y+1)(x+2y-3)$
となる。

解の公式を使う解答

$3x^2+(2y-8)x-8y^2+14y-3=0$
を解く。まず,解の公式におけるルートの中身は
$\dfrac{D}{4}=(-y+4)^2-3(-8y^2+14y-3)\\
=25y^2-50y+25\\
=25(y-1)^2$
となり完全平方式になる。

よって,解の公式より
$x=\dfrac{-y+4\pm 5(y-1)}{3}$
$x=\dfrac{4y-1}{3},-2y+3$

よって,因数分解した結果は
$3(x-\dfrac{4y-1}{3})\{x-(-2y+3)\}\\
=(3x-4y+1)(x+2y-3)$
となる。

「たすきがけは不要」とまでは言いませんが,たすきがけを忘れてもなんとかやっていける!