二重根号の外し方のパターンと外せないものの判定

更新:19/05/21
分野: 式の計算  レベル: 基本公式

二重根号とは,$\sqrt{5+2\sqrt{6}}$ のように,ルートの中にルートが含まれているような式。

二重根号は,工夫すると
$\sqrt{5+2\sqrt{6}}=\sqrt{3}+\sqrt{2}$
のように,ルートの中にルートが無い式に変形する(二重根号を外す)ことができる場合があります。このページでは,
・二重根号の外し方
・二重根号が外せない場合の判定方法

について解説します。

二重根号を外す例題

例1

二重根号 $\sqrt{5+2\sqrt{6}}$ を外せ。

$\sqrt{5+2\sqrt{6}}=\sqrt{a}+\sqrt{b}$
のように二重根号を外したい!

そこで,両辺を二乗すると,
$5+2\sqrt{6}=a+b+2\sqrt{ab}$
となります。

よって,$a+b=5$,$ab=6$ になれば良いです。これは,$a=3,b=2$ とすれば満たせることが分かります。つまり,
$\sqrt{5+2\sqrt{6}}=\sqrt{3}+\sqrt{2}$
のように二重根号を外すことができます。

二重根号の外し方(基本パターン)

$\sqrt{5+2\sqrt{6}}=\sqrt{3}+\sqrt{2}$
のように二重根号を外すことができました。

より一般に,$\sqrt{A+2\sqrt{B}}$ という二重根号について考えてみます。

$\sqrt{A+2\sqrt{B}}=\sqrt{a}+\sqrt{b}$
の両辺を二乗すると,
$A+2\sqrt{B}=a+b+2\sqrt{ab}$
です。

つまり,「足して $A$,かけて $B$」となる $2$ つの自然数 $a,b$ を見つけることができれば,
$\sqrt{A+2\sqrt{B}}=\sqrt{a}+\sqrt{b}$
のように二重根号を外すことが出来ます。

引き算の場合

例2

二重根号 $\sqrt{4-2\sqrt{3}}$ を外せ。

$\sqrt{4-2\sqrt{3}}=\sqrt{b}-\sqrt{a}$
のように二重根号を外したい!

そこで,両辺を二乗すると,
$4-2\sqrt{3}=a+b-2\sqrt{ab}$
となります。

よって,$a+b=4$,$ab=3$ になれば良いです。これは,$a=1,b=3$ とすれば満たせることが分かります。つまり,
$\sqrt{4-2\sqrt{3}}=\sqrt{3}-1$
のように二重根号を外すことができます。

より一般に,「足して $A$,かけて $B$」となる $2$ つの自然数 $a,b\: (b > a)$ を見つけることができれば,
$\sqrt{A-2\sqrt{B}}=\sqrt{b}-\sqrt{a}$
のように二重根号を外すことが出来ます。

2を強引に作りだすパターン

$\sqrt{A+2\sqrt{B}}$ や,$\sqrt{A-2\sqrt{B}}$ という二重根号は,「足して $A$,かけて $B$」となる数を探すことで外すことができました。では $\sqrt{B}$ の前に2が無い場合は,どうすれば良いでしょうか?

例3

二重根号 $\sqrt{4+\sqrt{15}}$ を外してみる。
このままでは上記の公式が使えないので $\sqrt{15}$ の前に強引に $2$ を作り出す:
$\sqrt{4+\sqrt{15}}=\sqrt{\dfrac{8+2\sqrt{15}}{2}}\\
=\dfrac{\sqrt{8+2\sqrt{15}}}{\sqrt{2}}$
これで分子に先ほどの「足して $8$,かけて $15$」を探すという考え方が使える:
$\dfrac{\sqrt{3}+\sqrt{5}}{\sqrt{2}}$
最後に分母を有理化:
$\dfrac{\sqrt{6}+\sqrt{10}}{2}$

分母の有理化については,分母の有理化や実数化を行う理由もどうぞ。

例4

二重根号 $\sqrt{11-6\sqrt{2}}$ を外してみる。
今度はルートの中に邪魔な $3$ を入れることで強引に $2$ を作り出す:
$\sqrt{11-6\sqrt{2}}=\sqrt{11-2\sqrt{18}}$
足して $11$ かけて $18$ となるのは $2$ と $9$:
$\sqrt{11-6\sqrt{2}}\\
=\sqrt{9}-\sqrt{2}\\
=3-\sqrt{2}$

数字がとにかく大きいパターン

数字が大きくなった場合は,「足して $A$,かけて $B$」を勘で見つけるのは難しいです。そこで工夫して,解と係数の関係を用いることで二重根号を外すことができます。

例5

二重根号 $\sqrt{44+2\sqrt{420}}$ を外してみる。
たして $44$,かけて $420$ になる $2$ つの数 $a,b$ を直感で求めるのは難しいが,解と係数の関係より,$a,b$ は二次方程式
$x^2-44x+420=0$
の解。
この二次方程式を解の公式で解くと,
$x=22\pm\sqrt{22^2-420}=14, 30$
よって $\sqrt{44+2\sqrt{420}}=\sqrt{30}+\sqrt{14}$

この方法を使うことで,どんなに大きい数が出てきても,二次方程式の解を計算すれば二重根号を(外せる場合は)外すことができます。

二重根号が外せない場合とその判定

$A,B$ が適当に与えられたとき,「たして $A$,かけて $B$ 」となるような自然数 $a,b$ がいつも存在するとは限りません。
(二重根号を外す問題ではたいてい都合の良い $A,B$ が与えられています)

うまく $a,b$ が取れない場合は残念ながら二重根号を外すことはできません。

実は例5の解法を一般化することで二重根号が外せるかどうか簡単に判定することができます!

$\sqrt{A\pm 2\sqrt{B}}$ は $A^2-4B$ が平方数のとき二重根号を外すことができる。そうでないときは二重根号は外せない。

解説:たして $A$,かけて $B$ となる自然数 $a,b$ が存在する条件は,
$x^2-Ax+B=0$ の解が $2$ つとも自然数であること。
よって判別式 $A^2-4B$ が平方数であることが必要。
逆に判別式が平方数なら,解が両方自然数であることも簡単に分かる。

例1(再掲)

$\sqrt{5+2\sqrt{6}}$
これは $A^2-4B=5^2-24=1$ となり平方数。つまり二重根号が外せるパターン。

$\sqrt{7+2\sqrt{5}}$
これは $A^2-4B=49-20=29$ となり平方数でない。
つまりどんなに頑張っても二重根号は外せない。

適当に $A,B$ を選ぶと残念ながら高確率で二重根号を外すことができません。

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