分野: 整数問題


命題1(ゴールドバッハ予想):
$2$ より大きな偶数は2つの素数の和で表すことができる。

命題1が真なのか偽なのかは分かっていません。整数論における有名な未解決問題です。


Lucasの定理:
任意の素数 $p$ と非負整数 $m,n$ に対して,
$\displaystyle{}_{m}\mathrm{C}_{n}\equiv\prod_{i=0}^k{}_{m_i}\mathrm{C}_{n_i}\:\mathrm{mod}\:p$

ただし,$m_km_{k-1}\cdots m_1m_0$ は $m$ の $p$ 進数表示,$n_kn_{k-1}\cdots n_1n_0$ は $n$ の $p$ 進数表示。

なお,$m\geq n$ のときは ${}_{m}\mathrm{C}_{n}=\dfrac{m!}{n!(m-n)!}$ ですが,このページではさらに $m < n$ のときは ${}_{m}\mathrm{C}_{n}=0$ とします。


クンマーの定理(Kummer’s theorem)
${}_m\mathrm{C}_n$ が素数 $p$ で割り切れる回数は $m-n$ と $n$ を $p$ 進数表示して足し算をしたときの繰り上がりの回数と等しい。

整数の美しい定理です!


以下を満たす実数 $r$ をリウヴィル数(リュービル数)と言う:
任意の正の整数 $n$ に対して,ある正の整数 $p,q\:(q\geq 2)$ が存在して
$0< \left|r-\dfrac{p}{q}\right| < \dfrac{1}{q^n}$ を満たす。

定義がやや複雑ですが「$r$ が有理数 $\dfrac{p}{q}$ でかなり精度よく近似できる」というイメージです。


$\zeta_n=e^{\frac{2\pi i}{n}}=\cos \dfrac{2\pi}{n}+i\sin\dfrac{2\pi}{n}$($n$ 乗して $1$ になる数のうちの一つ)とおく。多項式
$F_n(x)=\displaystyle\prod_{k\in A_n} (x-\zeta_n^k)$
を円分多項式(円周等分多項式)と言う。

ただし,$A_n$ は $1$ 以上 $n$ 以下の整数で,$n$ と互いに素なもの全体の集合です。


全ての桁が $1$ である整数をレプユニット数と言う。

$1$,$11$,$111$ などです。Rep(繰り返し)Unit($1$)という意味です。


フォードの円

中心が $\left(\dfrac{q}{p},\dfrac{1}{2p^2}\right)$ で直径が $\dfrac{1}{p^2}$ である円を並べると美しい。

フォードの円と呼ばれる美しい円たちについて紹介します。


定理:
すべての原始ピタゴラス数は,$\begin{pmatrix}3\\4\\5\end{pmatrix}$ に対して,3つの行列 $A,B,C$ のどれかをかける操作を何度か繰り返すことで作れる。ただし,
$A=\begin{pmatrix}1&-2&2\\2&-1&2\\2&-2&3\end{pmatrix}$,
$B=\begin{pmatrix}1&2&2\\2&1&2\\2&2&3\end{pmatrix}$,$C=\begin{pmatrix}-1&2&2\\-2&1&2\\-2&2&3\end{pmatrix}$

ピタゴラス数に関する非常におもしろい定理です。この定理の主張と証明を詳しく解説します。