$1$ の三乗根 $\omega$ (オメガ)に関する話題です。
因数分解
少し長い定理ですが,高校数学の範囲でもしばしば活躍する定理です!
アイゼンシュタイン(Eisenstein)の既約判定定理:
ある素数 $p$ が存在して以下の3つの条件を満たすとき,整数係数多項式 $f(x)=a_nx^n+a_{n-1}x^{n-1}+\cdots +a_1x+a_0$ を(整数係数の範囲でできるとこまで)因数分解すると必ず $k$ 次式以上の因数がでてくる。
- $a_0$ は $p$ の倍数だが $p^2$ の倍数でない
- $a_1$ から $a_{k-1}$ まで全て $p$ の倍数
- $a_k$ が $p$ の倍数でない
特に,$k=n$ の場合に3つの条件を満たす式は既約(それ以上因数分解できない)です。
四次式の因数分解(または方程式を解く)に関する問題は以下の5パターンに分けることができます。
パターン1ーA:普通に因数定理が使える場合
パターン1ーB:二次式×二次式に分解できる場合
パターン2:相反方程式
パターン3:複二次式
パターン4:方程式が解けない場合
交代式とは,どの2つの変数を入れ替えても $-1$ 倍になるような式のことです。例えば $a^2-b^2$ という式は,$a$ と $b$ を入れ替えると $b^2-a^2$ となり,元の式の $-1$ 倍になるので交代式です。
発展公式,応用例,基本公式の三本立てでお送りします!発展公式,応用例がよく分からない人はまずは基本公式を確認してみてください。
ソフィー・ジェルマン(Sophie Germain)の恒等式:
$a^4+4b^4=(a^2+2ab+2b^2)(a^2-2ab+2b^2)$
一見因数分解不可能な式も因数分解できるので,整数問題で威力を発揮します。
$n$ 乗の差の因数分解公式
$a^n-b^n=(a-b)(a^{n-1}+a^{n-2}b+\cdots+ab^{n-2}+b^{n-1})$
有名な因数分解公式:
$a^3+b^3+c^3-3abc\\
=(a+b+c)(a^2+b^2+c^2-ab-bc-ca)$