最終更新:2019/04/20

三角関数の相互関係とその証明

分野: 三角比・三角関数  レベル: 基本公式

  1. $\sin^2\theta+\cos^2\theta=1$
  2. $\tan\theta=\dfrac{\sin\theta}{\cos\theta}$
  3. $1+\tan^2\theta=\dfrac{1}{\cos^2\theta}$

三角関数 $\sin\theta,\cos\theta,\tan\theta$ の間には,上記のような3つの関係式が成立します。これらの関係式のことを,三角関数の相互関係と言います。

このページでは,三角関数の相互関係の証明を2通り解説します。

三角関数の相互関係の証明(直角三角形から)

直角三角形を用いた三角関数の定義から相互関係の1と2を導出します。
→三角関数の3通りの定義とメリットデメリットの定義1)

$\sin^2\theta+\cos^2\theta=1$ の証明

三角関数の定義

$\sin\theta,\cos\theta$ の定義は
$\sin\theta=\dfrac{BC}{AC}$,$\cos\theta=\dfrac{AB}{AC}$
であった。

よって,
$\sin^2\theta+\cos^2\theta=\dfrac{AB^2+BC^2}{AC^2}$
ここで,三平方の定理より $AB^2+BC^2=AC^2$ より上式の右辺は $1$ となる。

$\tan\theta=\dfrac{\sin\theta}{\cos\theta}$ の証明

また,$\dfrac{\sin\theta}{\cos\theta}=\dfrac{BC}{AC}\cdot\dfrac{AC}{AB}=\dfrac{BC}{AB}$
となり,$\tan\theta$ の定義と一致する。

三角関数の相互関係の証明(単位円から)

単位円を用いた三角関数の定義から相互関係を導出します。
→三角関数の3通りの定義とメリットデメリットの定義2)

$\sin^2\theta+\cos^2\theta=1$ の証明

sct2

$(\cos\theta,\sin\theta)$ は単位円上にあるので $\sin^2\theta+\cos^2\theta=1$

$\tan\theta=\dfrac{\sin\theta}{\cos\theta}$ の証明

また,$\tan\theta=\dfrac{\sin\theta}{\cos\theta}$ は $\tan\theta$ の定義そのものである。

三角関数の相互関係3の証明

次に,
3. $1+\tan^2\theta=\dfrac{1}{\cos^2\theta}$
を証明してみます。

これは,今までに証明した三角関数の相互関係
1. $\sin^2\theta+\cos^2\theta=1$
2. $\tan\theta=\dfrac{\sin\theta}{\cos\theta}$
を使えば証明できます。

3の証明

1,2より,
$1+\tan^2\theta\\
=1+\dfrac{\sin^2\theta}{\cos^2\theta}\\
=\dfrac{\cos^2\theta+\sin^2\theta}{\cos^2\theta}\\
=\dfrac{1}{\cos^2\theta}$

4つめの相互関係

今までの3つの公式に加えて,以下の公式も三角関数の相互関係と呼ばれることがあります:
$1+\dfrac{1}{\tan^2\theta}=\dfrac{1}{\sin^2\theta}$

証明

1,2より,
$1+\dfrac{1}{\tan^2\theta}=1+\dfrac{\cos^2\theta}{\sin^2\theta}\\
=\dfrac{\sin^2\theta+\cos^2\theta}{\sin^2\theta}\\
=\dfrac{1}{\sin^2\theta}$

4つめはあまり有名ではありませんが,3つめ:
$1+\tan^2\theta=\dfrac{1}{\cos^2\theta}$
と合わせて覚えておくとよいでしょう。

おまけ:マクローリン展開から1を導出

マクローリン展開を用いた三角関数の定義から相互関係1を導出します。
→三角関数の3通りの定義とメリットデメリットの定義3)

証明の概略

$\left(x-\dfrac{x^3}{3!}+\dfrac{x^5}{5!}-\dfrac{x^7}{7!}+\cdots\right)^2$ $\,+\left(1-\dfrac{x^2}{2!}+\dfrac{x^4}{4!}-\dfrac{x^6}{6!}+\cdots\right)^2=1$
を証明したい。

左辺の奇数次の項は $0$ であり,定数項は $1$ である。
また,$(1-1)^{2n}=0$ から導かれる公式:$\displaystyle\sum_{k=0}^{2n}(-1)^{k}{}_n\mathrm{C}_k=0$ を使うと左辺の $2$ 次以上の偶数次の項も $0$ であることが確認できる。

3と4はペアなので,片方だけ教科書に載せるのではなくて,両方載せる,または両方載せないでほしいです。

Tag:数学2の教科書に載っている公式の解説一覧