最終更新:2018/11/02

グラフの平行移動の公式の証明と例

分野: いろんな関数  レベル: 基本公式

グラフの平行移動の公式:
関数のグラフを $x$ 軸方向に $a$,$y$ 軸方向に $b$ 平行移動したいときには,
$x$ を $x-a$ に変えて,$y$ を $y-b$ に変えればよい。

グラフの平行移動の公式について,具体例,公式の証明などを詳しく解説します。

グラフの平行移動

グラフの平行移動の例として,$y=2x$ のグラフを,$x$ 軸方向に $3$,$y$ 軸方向に $4$ 平行移動してみましょう。

これは,$x\to x-3$,$y\to y-4$ とすればよいので,平行移動した関数は,
$y-4=2(x-3)$
となります。右辺を展開して整理すると,
$y-4=2x-6$
$y=2x-2$
となります。

グラフの平行移動の公式は重要

グラフの平行移動の公式は,非常に多くの場所で出現するので公式を丸覚えしましょう。

さらに,(証明は後ほど詳しく説明しますが)証明方法も非常に重要なのできちんと説明できるようになっておきましょう。なぜ $x→x+a$ ではなく $x→x-a$(マイナス符号がつく)となるのかその理由をきちんと理解しておきましょう。

グラフの平行移動の公式の証明

以下の「グラフの平行移動の公式」を証明してみましょう。

$y=f(x)$ のグラフを $x$ 軸方向に $a$, $y$ 軸方向に $b$ 平行移動させたグラフは $y-b=f(x-a)$ となる。

平行移動に限らず,拡大縮小,対称移動,回転などグラフの変換に関する公式は全て以下の3手順で示すことができます。

1:$y=f(x)$ 上の点 $(x,y)$ を「変換」した点を $(X,Y)$ とおき,$X,Y$ をそれぞれ $x,y$ で表す。
2:$x,y$ について解く。
3:$y=f(x)$ に代入して $X,Y$ の関係式を求める。

平行移動の公式の証明

1:$(x,y)$ を平行移動して $(X,Y)$ になったとする。平行移動という変換の定義より,
$X=x+a, Y=y+b$

2:$x,y$ について解く:
$x=X-a, y=Y-b$
(ここでマイナス符号が登場!)

3:$y=f(x)$ に代入して $X,Y$ の関係式を求める:
$Y-b=f(X-a)$

方針がわかっていれば非常に簡単に導けます。より難しい変換(対称移動,回転など)の場合にも使える非常に重要な考え方なので完璧に覚えておきましょう。

グラフの平行移動の様々な具体例

「平行移動」という言葉が明示的に使われていないものも含まれています。平行移動の構造を見つけたらこの公式を思い出しましょう。

一次関数の平行移動

傾きが $p$ で $(a,b)$ を通る直線の方程式は(原点を通る傾き $p$ の直線を平行移動させたものなので),
$y-b=p(x-a)$
となります。

二次関数の平行移動

$y=ax^2$ を平行移動させたグラフで頂点が$(p,q)$ となるものは,
$y-q=a(x-p)^2$
となります。$x$ 軸方向に $p$,$y$ 軸方向に $q$ 平行移動です。

円の平行移動

中心 $(a,b)$,半径 $r$ の円の方程式は,
$(x-a)^2+(y-b)^2=r^2$
となります。$x$ 軸方向に $a$,$y$ 軸方向に $b$ 平行移動です。

その他の関数

分数関数,無理関数,楕円,双曲線などのグラフを書くときも,「原点を中心にした基本的なものを平行移動させる」と考えればスッキリすることが多いです。

例.一次分数関数のグラフと漸近線

平行移動と拡大を合わせるとかなり多くのグラフを同一視できます。

Tag: 数学3の教科書に載っている公式の解説一覧