最終更新:2019/04/20

分数不等式のおすすめの解き方と例題

分野: 不等式  レベル: 入試対策

分数不等式とは,
$2-\dfrac{x-4}{x-2}\geq\dfrac{6}{x-1}$
のように,分数式を含む不等式のことです。

このページでは,分数不等式の解き方を3通り紹介します。2つめの方法(通分する方法)がおすすめです。

分数不等式

今回考えるのは,以下のような分数式を含む不等式の問題です。

例題

$2-\dfrac{x-4}{x-2}\geq\dfrac{6}{x-1}$ を満たす実数 $x$ の範囲を求めよ。

この不等式を見たときに,どのように解こうと考えるでしょうか? 「両辺に $(x-1)(x-2)$ をかけて分母を払おう」と考える人が多いのではないでしょうか?

実は,この分数不等式は
方法1.分母を払う方法

以外にも
方法2.通分する方法(おすすめ)

方法3.両辺のグラフを書く方法
といった解き方があります。

以下では,3つの方法についてそれぞれ解説します。

方法1. 分母を払う方法

$2-\dfrac{x-4}{x-2}\geq\dfrac{6}{x-1}$
の両辺に $(x-1)(x-2)$ をかけることで分母を払います。ただし,$(x-1)(x-2)$ の符号によって不等号の向きが変わるので,場合分けが必要になります。

解答

・$x <1$ または $2 <x\cdots(1)$ のとき
$(x-1)(x-2) > 0$ であるので,$(x-1)(x-2)$ を両辺にかけても不等号の向きは変わらない:
$2(x-1)(x-2)-(x-4)(x-1)\geq 6(x-2)$
これは頑張って整理するとただの二次不等式になる:
$x^2-7x+12\geq 0$
$(x-3)(x-4)\geq 0$
これを満たす $x$ の範囲は $x\leq 3,4\leq x$
これと $(1)$ の共通部分をとると $x <1, 2 <x\leq 3, 4\leq x$

・$1 <x <2\cdots(2)$ のとき
$(x-1)(x-2) <0$ に注意して,$(x-1)(x-2)$ を両辺にかける:
$2(x-1)(x-2)-(x-4)(x-1)\leq 6(x-2)$
先ほどと同様に二次不等式を解く:
$(x-3)(x-4)\leq 0$
$3\leq x\leq 4$
これと $(2)$ の共通部分はない。

以上より答えは $x <1, 2 <x\leq 3, 4\leq x$

方法2.通分する方法(おすすめ)

通分してから分子を因数分解する方法です。場合分けが不要なので楽です!

解答

$2-\dfrac{x-4}{x-2}\geq\dfrac{6}{x-1}$
という分数不等式を,同値変形していく。
移項:$2-\dfrac{x-4}{x-2}-\dfrac{6}{x-1}\geq 0$

通分:$\dfrac{2(x-1)(x-2)-(x-4)(x-1)-6(x-2)}{(x-1)(x-2)}\geq 0$
分子を展開:$\dfrac{2x^2-6x+4-x^2+5x-4-6x+12}{(x-1)(x-2)}\geq 0$
分子を整理:$\dfrac{x^2-7x+12}{(x-1)(x-2)}\geq 0$

分子を因数分解:$\dfrac{(x-3)(x-4)}{(x-1)(x-2)}\geq 0$

よって,求める範囲は $x <1, 2 <x \leq 3, 4 \leq x$


注:$(x-a)$ という因数が分子にあろうが分母にあろうが $a$ をまたぐと符号が変わる,というのがポイントです。境界については,$x=1,2$ では分数式はそもそも定義されないのでダメ,$x=3,4$ は等号成立でOKです。

方法1よりも,場合分けが不要な方法2の方が素晴らしいことを実感していただけたでしょうか?

方法3.両辺のグラフを書く方法

$f(x)\geq g(x)$ という不等式を解くときに $y=f(x)$ と $y=g(x)$ のグラフを書いてどちらが上側にあるのかを議論するというのも定番の方法です。

$2-\dfrac{x-4}{x-2}\geq\dfrac{6}{x-1}$
という分数不等式を解きたい場合,
$y=2-\dfrac{x-4}{x-2}$

$y=\dfrac{6}{x-1}$
のグラフを書くことになります。
→一次分数関数のグラフと漸近線

考え方としては重要ですが,結局2つのグラフの交点の $x$ 座標を計算する必要があるので,分数不等式を解く際には,通分による方法がおすすめです。

分母に二次式が登場したり分数の項が3つ登場しても方針は同じです。通分して因数分解でOK!