2014/06/29

四次式の因数分解の5パターン

分野: 式の計算  レベル: 最難関大学

四次式の因数分解(または方程式を解く)に関する問題は以下の5パターンに分けることができます。

パターン1ーA:普通に因数定理が使える場合
パターン1ーB:二次式×二次式に分解できる場合
パターン2:相反方程式
パターン3:複二次式
パターン4:方程式が解けない場合

普通に因数定理が使える場合

入試で出題されるほとんどがこのパターンです。
一次式を因数としてもつ場合,その一次式の候補は限られるので簡単に調べることができます。→方程式の有理数解

二次式×二次式に分解できる場合

このパターンは入試でお目にかかったことがありませんが,念のため知っておくべき手法です。(数検1級の問題で出題された気がします)
因数定理が使えない場合も係数比較によって二次式×二次式に因数分解できる場合があるのです。

例1

$x^4-3{x}-2$ が二次式×二次式に因数分解できると仮定する:
$x^4-3{x}-2=(x^2+ax+b)(x^2+cx+d)$
この式を展開して係数比較すると,$a, b, c, d$ に関する4つの条件式が出てくる:
$a+c=0, b+ac+d=0, bc+ad=-3, bd=-2$
一般的にこのような連立方程式と解くのは難しいが,$a,b,c,d$ が整数であることを期待して解いてみると,簡単に解が求まって因数分解できる:
$x^4-3{x}-2=(x^2+x+2)(x^2-x-1)$

相反方程式,複二次式

パターン2:相反方程式
係数が左右対称なら $x+\dfrac{1}{x}=X$ とおくことによって $X$ の二次式に帰着できます。
→相反方程式とその解き方


パターン3:複二次式
定数項,二次の項,四次の項のみなら $x^2=X$ とおくことによって $X$ の二次式に帰着できます。そのまますぐに因数分解できるパターンもありますし(例2),うまく平方の差をつくって因数分解するパターンもあります(例3)。

例2

$x^4-x^2-2=(x^2+1)(x^2-2)$

例3

$x^4+x^2+1=(x^2+1)^2-x^2=(x^2+x+1)(x^2-x+1)$

パターン4:解けない場合

上記のような方法が全て使えないような方程式は出題されません。(どんな場合でも使える四次方程式の解の公式がありますが,複雑過ぎて使い物になりません)

では,四次式が因数分解できないことを示すにはどうすればよいか,というのが次の疑問になります。パターン1で紹介したように一次式を因数として持つ場合は解の候補を全て調べればよいのですが,二次式×二次式にも分解できないことを示す必要があります。

そこで,「因数分解できない」ことを示すための有名な定理を紹介しておきます。

アイゼンシュタイン(Eisenstein)の定理:
ある素数 $p$ が存在して以下の3つの条件を満たすとき,整数係数多項式 $f(x)=a_nx^n+a_{n-1}x^{n-1}+\cdots +a_1x+a_0$ は(整数係数の範囲では)因数分解できない。

  • $a_0$ は $p$ の倍数だが $p^2$ の倍数でない
  • $a_1$ から $a_{n-1}$ まで全て $p$ の倍数
  • $a_n$ が $p$ の倍数でない

アイゼンシュタインの定理は因数分解できないことの十分条件です。逆は成立しません(必要条件ではない)。例えば,$x^2+1$ は因数分解できませんが,アイゼンシュタインの定理を成り立たせる $p$ は存在しません。

アイゼンシュタインの定理の証明や応用例はこちら。
→アイゼンシュタインの定理

一般的に因数分解できることを示すよりも因数分解できないことを示す方が難しいです。幽霊がいることを示すよりも幽霊がいないことを示す方が難しいです。

Tag: 因数分解の発展的な公式・応用例まとめ
Tag: いろいろな方程式の解き方まとめ

分野: 式の計算  レベル: 最難関大学