2016/03/08

巴戦の確率

分野: データの分析,確率  レベル: 最難関大学

巴戦(ともえせん)の問題について解説します。2016年東大第2問(文理共通)でも扱われた話題です。

巴戦とは(3人の場合)

  • 登場人物はA,B,Cの3人
  • 1試合目はAとBが戦う
  • $n+1$ 試合目は $n$ 試合目の勝者と $n$ 試合目に待機していた人が戦う
  • 全員の実力は同じ
  • 誰かが二連勝したらその人が優勝してゲーム終了

大相撲の優勝決定戦などで使われる方法です。巴戦でAが優勝する確率を2通りの方法で求めます。

方程式を立てる方法

解答1

「二試合目において,1勝している人」が優勝する確率を $x$
「二試合目において,1勝している人の対戦相手」が優勝する確率を $y$
「二試合目の待機者」が優勝する確率を $z$ とする

二試合目の結果で場合わけすることにより,
$x=\dfrac{1}{2}+\dfrac{1}{2}z$
$y=\dfrac{1}{2}x$
$z=\dfrac{1}{2}y$
が分かる。これを解くと,$x=\dfrac{4}{7}$,$y=\dfrac{2}{7}$,$z=\dfrac{1}{7}$

よって,巴戦でAが優勝する確率は,
$\dfrac{1}{2}x+\dfrac{1}{2}z=\dfrac{5}{14}$

ちなみに,Bが優勝する確率も $\dfrac{5}{14}$ です。Cが優勝する確率は $\dfrac{4}{14}$ です(微妙に不平等)。

各パターンを直接計算する方法

解答2

Aが $n$ 試合目に優勝する確率を $a_n$ とする。$a_1=0$,$a_2=\dfrac{1}{4}$,$a_3=0$ はすぐ分かる。もう少し小さな $n$ で考えてみると以下のことが分かる。

  • Aが $3k+1$ 回目に優勝するのは「負け,待ち,勝ち」を $k$ 回繰り返して最後に勝つ場合だけなので,
    $n=3k+1\:(k=1,2,\cdots)$ のとき,$a_n=\dfrac{1}{2^n}$
  • Aが $3k+2$ 回目に優勝するのは1回目勝ってから「負け,待ち,勝ち」を $k$ 回繰り返して最後に勝つ場合だけなので,
    $n=3k+2\:(k=0,1,\cdots)$ のとき,$a_n=\dfrac{1}{2^n}$
  • Aが $3k$ 回目に優勝することはない。

よって,求める確率は $\displaystyle\sum_{n=1}^{\infty}a_n=\dfrac{\frac{1}{4}}{1-\frac{1}{8}}+\dfrac{\frac{1}{16}}{1-\frac{1}{8}}=\dfrac{5}{14}$

ちなみに,5人の場合なども同様に考えることができます(待機者が3人)。解答1,解答2のいずれでも解くことができます。練習問題にどうぞ!

高校時代,3人で卓球をやるときに巴戦をやった記憶があります。

Tag: 東大入試数学の良問と背景知識まとめ

分野: データの分析,確率  レベル: 最難関大学