2014/09/22

点と平面の距離公式とその証明

分野: 座標,ベクトル  レベル: 最難関大学

平面 $p_0:ax+by+cz+d=0$ と点 $A:(x_0,\:y_0,\:z_0)$ との距離 $D$ は,
$D=\dfrac{|ax_0+by_0+cz_0+d|}{\sqrt{a^2+b^2+c^2}}$


平面の方程式は一次式 $ax+by+cz+d=0$ で表されることは前提知識として用います。また,証明1では,その法線ベクトルが$(a,b,c)$ であることも用います。
→平面の方程式とその3通りの求め方

点と平面の距離公式

まずは具体例から。

点$(2,0,3)$ と平面 $5x-y+2z+1=0$ の距離は,
$\dfrac{|5\cdot 2-0+2\cdot 3+1|}{\sqrt{5^2+(-1)^2+2^2}}=\dfrac{17}{\sqrt{30}}$

点と平面の距離公式は点と直線の距離公式の3通りの証明で解説した公式のの三次元バージョンです。

証明は二次元の場合の証明(三通りいずれでも)をそのまま三次元に拡張するだけでできます。

  • 証明1の三次元への拡張が簡潔で有名な証明なので解説します。
  • 証明2については拡張の際に面積を求める部分で工夫が必要になり面白いので解説します。
  • 証明3については二次元の場合と全く変わらないので省略します。

点と平面の距離公式の証明1

以下では $A$ から $p_0$ に下ろした垂線の足を $H$ とします。

点と平面の距離公式

証明

$H$ の座標を$(X,Y,Z)$ とおく。 $\overrightarrow{AH}$ は $p_0$ の法線ベクトルと平行なので実数 $t$ を用いて,
$(x_0-X, y_0-Y, z_0-Z)=t(a, b, c)$
と表せる。あとは,$H$ が $l$ 上にある条件:$aX+bY+cZ+d=0$ を用いて $t$ を求めればよい。
上式の両辺に対して$(a,b,c)$ との内積を取ると,$-aX-bY-cZ=d$ より,
$ax_0+by_0+cz_0+d=t(a^2+b^2+c^2)$
となる。
$a^2+b^2+c^2\neq 0$ なので,$t=\dfrac{ax_0+by_0+cz_0+d}{a^2+b^2+c^2}$
よって,$AH$ の長さ、すなわち $t(a,b,c)$ の長さは,
$D=|t|\sqrt{a^2+b^2+c^2}=\dfrac{|ax_0+by_0+cz_0+d|}{\sqrt{a^2+b^2+c^2}}$
となり点と平面の距離公式が導出できた。

点と平面の距離公式の証明2

四面体の体積を二通りの方法で表します。
ヘロンの公式を応用する部分以外は二次元の場合と全く同じです。計算はけっこう大変で省略している部分もあるので難しければ二次元の場合で確認してみてください。

証明

$a=0$ のとき,点と直線の距離公式より成立。 $b=0,\:c=0$ のときも同様。以下 $a,\:b,\:c$ が全て $0$ でない場合を考える。

点 $A$ を通り $x$ 軸,$y$ 軸,$z$ 軸に平行な直線と平面 $p_0$ の交点をそれぞれ $P,Q,R$ とおく。

$PA=p,\:QA=q,\:RA=r$ とおくと,$PQ=\sqrt{p^2+q^2},\:QR=\sqrt{q^2+r^2},\:RP=\sqrt{r^2+p^2}$ である。
四面体 $PQRA$ の体積を二通りの方法で表すことにより,
$\dfrac{1}{6}pqr=\dfrac{1}{3}DS$
ただし,$S$ は三角形 $PQR$ の面積。

次に,$S$ を $p,\:q,\:r$ で表す。
ヘロンの公式の変形版(ヘロンの公式の下部参照)より,三辺の長さが $A,\:B,\:C$ である三角形の面積 $S$ は
$16S^2=2(A^2B^2+B^2C^2+C^2A^2)-(A^4+B^4+C^4)$ を満たすので,
これに $PQ,\:QR,\:QP$ の式を代入して整理すると,
$S=\dfrac{1}{2}\sqrt{p^2q^2+q^2r^2+r^2p^2}$ となる。

よって,$D=\dfrac{pqr}{\sqrt{p^2q^2+q^2r^2+r^2p^2}}$
平面の方程式を利用して $P,Q,R$ の座標を求めることにより,$p=\dfrac{k}{a},\:q=\dfrac{k}{b},\:r=\dfrac{k}{c},\:(k=|ax_0+by_0+cz_0+d|)$
となるので,これらを上式に代入して整理すると
$D=\dfrac{k}{\sqrt{a^2+b^2+c^2}}$
が得られ証明完了。

二次元の場合の証明をそのまま三次元に拡張できる場合(証明1,証明3)もあれば,拡張の際に工夫が必要となる場合(証明2)もあります。

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