2015/06/24

置換積分の公式の証明と例題

分野: 積分  レベル: 基本公式

置換積分を行うときには変数を置き換えるだけでなく,微分をかけるのを忘れないように。定積分の場合は積分区間の変更も必要。

置換積分(不定積分)の例題→公式の証明
置換積分(定積分)の例題→公式の証明
の順に解説します。

不定積分の場合の公式と例題

置換積分(不定積分)の公式:
$x=g(t)$ と置換すると,$\displaystyle\int f(x)dx=\displaystyle\int f(g(t))\dfrac{dx}{dt}dt$

不定積分の置換積分でやることは二つです。
1.被積分関数を新しい変数 $t$ の式で書き換える
2. $\dfrac{dx}{dt}$ を計算してかける

例題

不定積分 $\displaystyle\int \sqrt{x+1}(x+2)dx$ を求めよ。

解答

$\sqrt{x+1}=t$ と置換する。 $x=t^2-1$ である。
1.被積分関数を $t$ を用いて表すと,$t(t^2-1+2)=t^3+t$ となる。
2. $\dfrac{dx}{dt}=2t$
以上より求める不定積分は
$\displaystyle\int (t^3+t)2tdt\\
=\displaystyle\int 2t^4+2t^2dt\\
=\dfrac{2}{5}t^5+\dfrac{2}{3}t^3+C$
最後に $x$ の式に戻すと,$\dfrac{2}{5}(x+1)^{\frac{5}{2}}+\dfrac{2}{3}(x+1)^{\frac{3}{2}}+C$

注:$C$ は積分定数です,いちいち断らないことにします。なお,この不定積分は置換積分を用いなくてもできます。→積分速度を上げる公式

証明(不定積分)

不定積分の定義&合成関数の微分公式を理解していれば簡単です!

証明

$f(x)$ の原始関数の一つを $F(x)$ とする。つまり,$\dfrac{dF(x)}{dx}=f(x)$ である。公式の左辺は $F(x)+C$ となる。

このとき,$F(x)$ を $t$ で微分すると(合成関数の微分公式より),
$\dfrac{dF(x)}{dt}=\dfrac{dx}{dt}\dfrac{dF(x)}{dx}=\dfrac{dx}{dt}\cdot f(x)=\dfrac{dx}{dt}f(g(t))$

つまり,$\dfrac{dx}{dt}f(g(t))$ の $t$ による不定積分が $F(x)$ となることを表している。すなわち公式の右辺も $F(x)+C$ となる。

定積分の場合の公式と例題

置換積分(定積分)の公式:
$x=g(t)$ と置換すると,$\displaystyle\int_a^b f(x)dx=\displaystyle\int_{\alpha}^{\beta} f(g(t))\dfrac{dx}{dt}dt$
ただし,$t$ が $\alpha\to \beta$ と単調に変化するとき $x$ は $a\to b$ と単調に変化するものとする。

定積分の置換積分でやることは三つです。
1.被積分関数を新しい変数 $t$ の式で書き換える
2. $\dfrac{dx}{dt}$ を計算してかける
3.積分区間を(新しい変数が動く範囲に)変更する

例題2

定積分 $\displaystyle\int_0^{1}\dfrac{dx}{1+x^2}$ を計算せよ。

解答

$x=\tan\theta\:(-\dfrac{\pi}{2} <\theta <\dfrac{\pi}{2})$ と置換する(→注)。
1.被積分関数を $\theta$ で表すと,$\dfrac{1}{1+\tan^2\theta}=\cos^2\theta$
2. $\dfrac{dx}{d\theta}=\dfrac{1}{\cos^2\theta}$
3. $x$ が $0$ のとき $\theta=0$,$x=1$ のとき $\theta=\dfrac{\pi}{4}$

以上より求める定積分の値は,
$\displaystyle\int_0^{\frac{\pi}{4}}\cos^2\theta\dfrac{1}{\cos^2\theta}d\theta=\dfrac{\pi}{4}$

注:$a^2+x^2$ というかたまりがあるときは $x=a\tan\theta$ と置換するとうまくいくことが多いです。また,新しい変数は $t$ としてもよいですが,$\tan$ の中身なので $\theta$ にしました。

証明(定積分)

不定積分の場合の結果を使うとすぐです。

証明

$f(x)$ の原始関数の一つを $F(x)$ とする。不定積分の場合の公式より $F(g(t))$ が $f(g(t))\dfrac{dx}{dt}$ の原始関数の一つであることが分かる。よって,
$\displaystyle\int_a^b f(x)dx\\
=F(b)-F(a)\\
=F(g(\beta))-F(g(\alpha))\\
=\displaystyle\int_{\alpha}^{\beta}f(g(t))\dfrac{dx}{dt}dt$

定積分の置換積分は計算ミスの温床です。

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