2014/04/28

スチュワートの定理の証明とその仲間

分野: 平面図形  レベル: 入試対策

スチュワートの定理

スチュワートの定理:
三角形 $ABC$ と辺 $BC$ 上の点 $P$ に対して,
$b^2\cdot BP+c^2\cdot CP\\=a(BP\cdot CP+AP^2)$


スチュワートの定理の数式はあまり美しくありません,覚える必要はありませんが導出できるようになっておきましょう。

スチュワートの定理の証明

方針:三角形 $ABP$ と $ACP$ にそれぞれ余弦定理を用いることで簡単に証明することができます。

証明

$\angle APB=\theta$ とおくと,余弦定理より,
$\cos\theta=\dfrac{AP^2+BP^2-c^2}{2AP\cdot BP}$,
$\cos(180^{\circ}-\theta)=\dfrac{AP^2+CP^2-b^2}{2AP\cdot CP}$
これらと $\cos\theta=-\cos(180^{\circ}-\theta)$ より,
$CP(AP^2+BP^2-c^2)=-BP(AP^2+CP^2-b^2)$
この式を $BP+CP=a$ を用いて整理するとスチュワートの定理を得る。

スチュワートの定理は証明の手間がかからない上に覚えにくので覚える必要はありません,その代わりに以下の事実を覚えておくとよいでしょう。

  • 三角形とその辺の内分点があれば,線分の長さの関係式を余弦定理で導ける
  • 形状の分かっている三角形と辺の内分点 $P$ に対して,$AP,BP,CP$ のうち一つ分かればスチュワートの定理と $BP+CP=a$ を用いて残りの2つも求めることができる

実際にスチュワートの定理が必要になったらそのつど余弦定理を用いて導けばよいのです。応用例としては三角形における距離の二乗の和の公式の図形による証明など。

スチュワートの定理の仲間たち

スチュワートの定理は非常に一般的な形をしており,実戦では以下の2つの特殊形が用いられることが多いです。


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1:中線定理
$b^2+c^2=2(AM^2+BM^2)$

スチュワートの定理は,$P$ が $BC$ の中点 $M$ のときはパップス中線定理と一致します。実際,スチュワートの定理において $BP=CP=\dfrac{a}{2}$ とすれば中線定理が導けます。中線定理はスチュワートの定理の特殊形なのです。→中線定理の3通りの証明


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2:角の二等分線の公式
$AP^2=bc-BP\cdot CP$

$\angle BAP=\angle CAP$ のときは,$BP=\dfrac{ac}{b+c},CP=\dfrac{ab}{b+c}$ をスチュワートの定理の左辺に代入して整理することにより上記の角の二等分線の公式が得られます。角の二等分線の公式もスチュワートの定理の特殊形なのです。
→角の二等分線に関する重要な3つの公式

スチュワートの定理は直接役に立つことは少ないですが,中線定理や角の二等分線の公式を統一的に扱うことができ,知っていると視野が広がります
分野: 平面図形  レベル: 入試対策