2015/10/06

平方根の長さを作図する2通りの方法

分野: 平面図形  レベル: 基本公式

任意の正の有理数 $q$ に対して,長さ $1$ の線分が与えられれば長さ $\sqrt{q}$ の線分を定規とコンパスで作図できる。

長さ $\sqrt{q}$ の線分を作図できるということは,面積 $q$ の正方形を作図できるということでもあります!

三平方の定理を繰り返し用いる方法

まずは $q$ が正の整数である場合に使える方法です。長さ $1$ の線分 $AB$ が与えられたときに長さ $\sqrt{2},\sqrt{3},\sqrt{4},\sqrt{5},\cdots$ の線分を順番に作図していきます。

作図方法

平方根の作図

まず,$B$ を通り $AB$ と垂直で長さが $1$ の線分 $AB_{2}$ を作図する。
すると,三平方の定理により $AB_{2}=\sqrt{2}$ である。

次に,$B_2$ を通り $AB_2$ と垂直で長さが $1$ の線分 $B_2B_3$ を作図する。
三平方の定理より $AB_{3}=\sqrt{3}$ である。

以下同様に $\sqrt{4},\sqrt{5},\cdots$ の長さの線分を作図することができる。

この方法は順番に作図していくので,数字が大きくなると大変です。実際に $\sqrt{10}$ を作図することさえだいぶめんどくさいです。

有名な構図を用いる方法

次は長さ $1$ の線分と長さ $r$ の線分が与えられたときに長さ $\sqrt{r}$ の線分を作図する有名な方法です。 $r$ は有理数でなくても構いません。

作図方法

平方根の作図2

まず $AB=1,BC=r$ となるように直線上に三点 $A,B,C$ をこの順番で並べる。

次に $AC$ を直径とする円 $\Gamma$ を書く。 $B$ を通り $AC$ と垂直な直線と $\Gamma$ の交点の一つを $D$ とする。このとき $BD=\sqrt{r}$ である!(→補足)

補足:円の中心を $O$ とすると,$OD=\dfrac{1+r}{2}$,$OB=\dfrac{|1-r|}{2}$ である。三角形 $OBD$ に三平方の定理を用いると,
$BD^2=\dfrac{(1+r)^2-(1-r)^2}{4}=r$ が分かる。

追記:$BD^2=r$ の証明は方べきの定理を使えば一瞬です(読者の方に教えていただきました)。

相加相乗平均の不等式の証明にも使われる有名な構図です。

冒頭の主張の説明

以下の二点により冒頭の主張が証明されます:

  • 任意の有理数 $q=\dfrac{n}{m}$ に対して,長さ $1$ の線分が与えられたときに長さ $q$ の線分は作図できる($m$ 等分の作図と $n$ 倍の作図は簡単にできることから分かる)
  • 長さ $1$ の線分と長さ $r$ の線分が与えられたときに長さ $\sqrt{r}$ の線分は作図できる(説明済)
新課程では作図は数学Aで習います。平方根の作図も教科書範囲内です。

Tag: 数学Aの教科書に載っている公式の解説一覧

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