2014/12/28

シグモイド関数の意味と簡単な性質

分野: いろんな関数  レベル: 最難関大学

$f(x)=\dfrac{1}{1+e^{-ax}}\: (a > 0)$ はシグモイド関数と呼ばれる重要な関数である。


入試でもときどき出題されるシグモイド関数の性質とグラフを紹介した上で,シグモイド関数の重要性(工学的な応用)について解説します。

性質とグラフ

シグモイド関数は微分するまでもなく,以下の大雑把な性質に注目することでグラフの概形が描けます。

1:$f(0)=\dfrac{1}{2}$
2:$\displaystyle\lim_{x\to\infty}f(x)=1$,$\displaystyle\lim_{x\to -\infty}f(x)=0$
3:$f(x)$ は単調増加
4:$f(x)+f(-x)=1$ 。つまり $y=f(x)$ は$(0,\tfrac{1}{2})$ に関して点対称。

シグモイド関数のグラフ

それぞれ確認してみてください。4は非自明ですが簡単な計算で確認できます。

$a$ が大きいほどカーブが急激になり,$a$ が $0$ に近いほどなだらかな曲線になります。

ちなみにシグモイド関数の微分は,
$f'(x)=\dfrac{ae^{-ax}}{(1+e^{-ax})^2} > 0$ となります。

シグモイド関数とtanh

・シグモイド関数は $\tanh$ を用いて表すこともできます:
$\dfrac{1}{1+e^{-ax}}=\dfrac{1}{2}\dfrac{2e^{\frac{1}{2}ax}}{e^{\frac{1}{2}ax}+e^{-\frac{1}{2}ax}}
=\dfrac{1}{2}(1+\tanh(\frac{1}{2}ax))$

(注:$\tanh$ はハイパボリックタンジェントと読み,定義は
$\tanh x=\dfrac{e^x-e^{-x}}{e^{x}+e^{-x}}$ です。→双曲線関数にまつわる重要な公式まとめ


ステップ関数,符号関数

ここからはシグモイド関数の応用の話です。

シグモイド関数には不連続だがよく使う関数をなめらかな関数で近似するという役割があります。

例えば,工学的に重要な関数としてステップ関数,符号関数があります:

ステップ関数と符号関数のグラフ

・(単位)ステップ関数
$u(x)=\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
0\:\:(x <0)\\
1\:\:(x \geq 0)
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}$

・符号関数
$\mathrm{sgn}(x)=\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
1\:\:(x > 0)\\
0\:\:(x = 0)\\
-1\:\:(x <0)
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}$

スイッチの切り替えを表現したり,いかにも使いそうな関数です。

連続近似

ステップ関数や符号関数のように不連続な関数は扱いにくいことがあるので連続関数で近似したくなります。場合によっては微分可能であって欲しいこともあります。

シグモイド関数による近似
  • そこで,折れ線でつなぐことで「ステップ関数っぽい連続関数」(赤)を作ることができます。
  • さらに,シグモイド関数を使うことで「ステップ関数っぽいなめらかな関数」(緑)を作ることができます。

符号関数も同様にシグモイド関数を2倍して1を引いたもの($=\tanh$)を使うことで「符号関数っぽいなめらかな関数」が作れます。

また,シグモイド関数の $a$ が大きいほどよい近似になります。そして,なめらかな関数で近似する方法はたくさんありますが,シグモイド関数は数式も扱いやすい(例えば導関数をもとの関数で表せる)のでよく使われています。

このへんの話は入試には出ませんが,シグモイド関数の重要性がなんとなくお分かりいただけたかと思います。

今年も残すところあと3日ですね。

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