2014/06/20

線分の長さにまつわる頻出の形

分野: 平面図形  レベル: 数学オリンピック

図形問題における頻出の構図を2つ紹介します。いずれも線分の長さを最小化する問題です。

そのまま出題されることもありますし,証明問題の途中で出現する場合もあります。

頻出の形1:線分の積の最小化

2007年日本数学オリンピック予選の第3問です。

問題

平面上に長さ $7$ の線分 $AB$ があり,点 $P$ と直線 $AB$ の距離は $3$ である。 $AP\times BP$ のとりうる最小の値を求めよ。

線分の積の最小化

(解答)
三角形 $APB$ の面積 $S$ を二通りで表す:
$\dfrac{1}{2}PA\times PB\times \sin\angle APB=\dfrac{7}{2}\cdot 3$
よって,$PA\times PB$ が最小となるのは $\sin\angle APB$ が最大となるとき。
本問では $\angle APB$ が直角になるような点 $P$ を取ることができる($AB$ の中点を通り半径 $\dfrac{7}{2}$ の円を考えればよい)。

よって,求める最小値は $21$

この問題は簡単に一般化できます。2通りの場合があることが確認できます。
線分 $AB$ の長さを $a$,$AB$ と $P$ との距離を $h$ とおくと,$PA\times PB$ が最小となるのは以下の場合です:

  • $a\geq 2h$ のとき上記と同様に $\angle APB$ が直角となる場合
  • $a <2h$ のとき,$PA=PB$ となる場合

($a <2h$ のとき,$\angle APB$ が最大になるのが $PA=PB$ の場合であることは簡単に証明できます。)

頻出の形2:垂線の足を結ぶ構図

問題

三角形 $ABC$ において,辺 $BC$ 上の点 $P$ から他の2辺に下ろした垂線の足を $D, E$ とおく。点 $P$ が $BC$ 上を動くと線分 $DE$ の長さが最小となるのはどのような場合か

線分の最小化

(解答)
直角が2つあるので,$A, D, P, E$ は同一円周上にある。そしてその円の直径は $AP$ である。
よって,正弦定理により $\dfrac{DE}{\sin A}=AP$
$DE$ が最小となるのは $AP$ が最小となるとき,つまり $AP$ と $BC$ が垂直な場合。

議論はシンプルですが,とても美しい結果です。
より複雑な図形を扱っている場合でも直角2つ発見したらすぐに円を思い浮かべましょう!

ちなみに,線分の和を最小化する問題については,三角形のフェルマー点の3通りの証明を参照してください。

僕は2つ目の構図がかなり好きです,議論はとても短いのに結果が非自明だからです。
分野: 平面図形  レベル: 数学オリンピック