2014/05/18

二次関数の決定とその背景

分野: いろんな関数  レベル: 入試対策

一般に,3個の条件が与えられたら2次関数が1つに決まる
$n+1$ 個の条件が与えられたら $n$ 次関数が1つに定まる

二次関数の決定は超頻出問題です,今回はその背景を探ります。

二次関数の決定問題の3パターン

条件が3つ与えられてそれを満たす二次関数を求める問題を「二次関数の決定」といいます。

二次関数の決定問題は様々な種類がありますが大きく分けて以下の3パターンです。適切な一般形を用いることで計算を減らす工夫をしましょう。


パターン1:二次関数の一般形(その1)は $y=ax^2+bx+c$ なので,係数を決めるためには条件が3つ必要になります。通る3点が与えられる場合が最もオーソドックスです。

例題1

$(1,0), (2,3), (3,8)$ を通る二次関数を求めよ。
→ $y=ax^2+bx+c$ に通る点の座標を代入して連立方程式を解くと,$y=x^2-1$

ちなみに例題1はラグランジュの補間公式と呼ばれるテクニックを用いても解くことができます。(後述)


パターン2:頂点に関する条件を指定されることもあります。その場合は,二次関数の一般形(その2):$y=a(x-p)^2+q$ を用いると計算が楽になります。(当然この場合も未知変数は3つです。)

例題2

頂点の座標が$(1,1)$ で$(2,2)$ を通る二次関数を求めよ。
→ $y=a(x-1)^2+1$ に$(2,2)$ を代入して $a=1$ となる。

頂点の座標に関する条件は $x$ 座標,$y$ 座標それぞれ独立なので2つぶんの条件とカウントします。


パターン3:まれに $x$ 座標との交点を条件として指定されることもあります。その場合は,二次関数の一般形(その3):$y=a(x-x_1)(x-x_2)$ を用いると計算が楽になります。

例題3

$x$ 軸との交点が$(1,0)$ と$(2,0)$ で$(0,2)$ を通る二次関数を求めよ。
→ $y=a(x-1)(x-2)$ に$(0,2)$ を代入して $a=1$ となる。

通る $n+1$ 点が与えられたら $n$ 次関数は一意に定まる

重要な定理です,証明もできるようになっておきましょう。

定理:$n+1$ 点$(x_i,y_i)\:(i=1,2,\cdots, n+1$,$x_i$ は互いに異なる)を通る $n$ 次以下の関数はただ1つ。

「 $n$ 次以下」と書いたのは例えば以下のような例外がありうるからです。
例外:通る三点が直線上にある場合はそのような二次関数は存在しない。(一次関数が1つ定まる)
ほとんどの場合はちょうど $n$ 次の関数が1つ定まります。

では,定理を証明します。

証明

$y=f(x),y=g(x)$ が題意を満たす $n$ 次以下の関数とすると,$f(x_i)=g(x_i)\:(i=1,2,\cdots,n+1)$ なので因数定理より,
$f(x)-g(x)=a(x-x_1)(x-x_2)\cdots(x-x_{n+1})$ となる。
$a=0$ でないと右辺が $n+1$ 次になってしまうので $a=0$ 。すなわち $f(x)=g(x)$

ちなみにこの定理は,ヴァンデルモンド行列の行列式(大学で学ぶ線形代数の知識)を用いて証明することもできます。→ヴァンデルモンド行列式の証明と応用例

ラグランジュの補間公式

通る $3$ 点が与えられたときに二次関数を一発で求める「ラグランジュの補間公式」を紹介します。

$(a,A),(b,B),(c,C)$ を通る二次関数の方程式は,
$y=A\dfrac{(x-b)(x-c)}{(a-b)(a-c)}+B\dfrac{(x-a)(x-c)}{(b-a)(b-c)}+C\dfrac{(x-a)(x-b)}{(c-a)(c-b)}$

実際に代入すれば与えられた三点を通ることが簡単に確認できます。美しいです。
「上記の二次関数は与えられた三点を通る」+「答えは1つしかない」→OK!
というロジックです。

しかし,この公式は分数がたくさん出てきて思いのほか計算が大変なので,二次関数の決定問題で使うのはオススメしません。一般的な $n$ 次関数の理論解析や数学オリンピックなどの難問でたまに役に立つので紹介しました。
→ラグランジュの補間公式とその応用例

僕は理論的に美しい定理も実戦で威力を発揮するテクニックのどちらも好きです

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