最終更新:2015/11/05

角の二等分線に関する重要な3つの公式

分野: 平面図形  レベル: 入試対策

 二等分線の公式

三角形 $ABC$ において,$\angle A$ の二等分線と辺 $BC$ の交点を $D$ とおく。
$AB=a, AC=b, BD=d,$
$DC=e, AD=f$ とおくとき以下の公式が成立する。

$1:ae=bd\\
2:(a+b)f=2ab\cos \dfrac{A}{2}\\
3:f^2=ab-de$


公式1は辺の比の公式で教科書にも載っています。公式3はスチュワートの定理の特殊な形で,美しいし応用例も多いので導き方も含めて覚えておいてください。公式2は暗記する必要はありませんが,導出方法はなんとなくインプットしておくとよいでしょう。

二等分線を含む三角形の公式たち

これら3つの公式を使うことで基本的には「二等分線を含む三角形について情報が3つ与えられれば残りの情報は全て求まる」ことが分かります。

$(a,b,f)$ が分かれば公式2により $\cos \dfrac{A}{2}$ が分かり,余弦定理から $d, e$ も分かります。
$(a,b,d)$ が分かれば公式1により $e$ も分かりさらに公式3から $f$ も分かります。

以下でそれぞれの公式の証明と注意点を説明します。

公式1:角の二等分線と辺の比の公式

教科書に載っており有名な公式ですが一応証明しておきます。

二等分線の公式の証明

証明

直線 $AB$ と「 $C$ を通り $AD$ と平行な直線」との交点を $E$ とおく。
同位角,錯角より,
$\angle AEC=\angle BAD\\=\angle CAD=\angle ACE$
よって,$AE=AC$
また,3つの角がそれぞれ等しいので三角形 $BAD$ と三角形 $BEC$ は相似であり,
$BA:AC=BA:AE=BD:DC$
つまり $ae=bd$

外角の場合についても同様な公式が成立します。(教科書に載っています)

公式2:面積に注目した二等分線の公式

この公式は公式自体よりも考え方が重要です。数学オリンピックなどの難問ではこの構図がしばしば出現します。三角関数の倍角の公式を使うことで両辺がうまくキャンセルされて綺麗な形になるのがポイントです。

二等分線と面積

証明

三角形 $ABC$ の面積は $\dfrac{1}{2}ab\sin A$
また,三角形 $ABD$ と三角形 $ACD$ の面積の和は,
$\dfrac{1}{2}af\sin\dfrac{A}{2}+\dfrac{1}{2}bf\sin\dfrac{A}{2}$
両者が等しいことと $\sin A=2\sin\dfrac{A}{2}\cos\dfrac{A}{2}$ より,
$2ab\sin\dfrac{A}{2}\cos\dfrac{A}{2}=(a+b)f\sin\dfrac{A}{2}$
となり,求める公式を得る。

公式3:エレガントな二等分線の公式

三角形 $ABD$ と三角形 $ACD$ に余弦定理を用いても公式は証明できますが,せっかくなので公式 $1, 2$ を用いて証明します。

証明

公式2と余弦定理より,
$(a+b)f=2ab\dfrac{a^2+f^2-d^2}{2af}$
これを $f$ について解く:
$f^2=ab-\dfrac{bd^2}{a}=ab-de$
ただし,最後の変形は公式 $1$ による。

繰り返しになりますが,重要なのは公式を暗記することではなく,二等分線を含む三角形において情報が3つ与えられれば他の値は求められる,と理解することです。

Tag: センター試験にも役立つ即効性の高い公式まとめ

分野: 平面図形  レベル: 入試対策