2014/05/10

放物線の二接線の交点

分野: いろんな関数  レベル: 最難関大学

放物線における二本の接線

公式1:放物線 $y=ax^2+bx+c$ 上の二点 $A,B$ における接線の交点を $P$ とおくとき,$P$ の $x$ 座標は $A,B$ の $x$ 座標の平均となる
公式2:図において $S:T=2:1$ である


入試では頻出の構図です。記述式の問題でこの公式を使うのは推奨されませんが,知っていると見通しが良くなる&検算テクニックになるので証明の流れも含めて覚えておくとよいでしょう。

公式の証明

公式1の証明

いずれの公式も,放物線を平行移動して $y=ax^2$ の場合に限定しても一般性を失わない。
$A(p,ap^2),B(q,aq^2)$ とそれぞれの接線の方程式は,
$y=2apx-ap^2, y=2aqx-aq^2$
よって,それらの交点 $P$ の座標は $\left(\dfrac{p+q}{2},apq\right)$

二接線の交点の $x$ 座標は $a$ によらず中点の $x$ 座標と同じというのが素晴らしいです。

公式2の証明

放物線と線分 $AB$ で囲まれた部分の面積 $S$ は,1/6公式より,$S=\dfrac{\left|a(p-q)^3\right|}{6}$
次に三角形 $ABP$ の面積 $S+T$ を求める。 $AB$ の中点 $M$ の座標は $\left(\dfrac{p+q}{2},\dfrac{ap^2+aq^2}{2}\right)$ より,
$S+T=\dfrac{1}{2}\left|\left(\dfrac{ap^2+aq^2}{2}-apq\right)(p-q)\right|\\=\dfrac{\left|a(p-q)^3\right|}{4}$
よって,$S+T:S=3:2$ より $S:T=2:1$

東工大の過去問に挑戦

実際に入試問題への応用例として,2009年の東工大の問題を解説します。

点 $P$ から放物線 $y=\dfrac{x^2}{2}$ へ2本の接線が引けるとき、2つの接点を $A、B$ とし、線分 $PA、PB$ およびこの放物線で囲まれる図形の面積を $T$ とする。 $PA、PB$ が直交するときの $T$ の最小値を求めよ

方針:上記の公式2を用いれば積分計算を用いなくても面積 $T$ を簡単に1変数関数で表すことができます。

解答

$A\left(p,\dfrac{1}{2}p^2\right),B\left(q,\dfrac{1}{2}q^2\right) (p < q)$ とおく。2本の接線の傾きはそれぞれ $p,q$ で直交するので $p=-\dfrac{1}{q}$
よって,$p < 0,q > 0$ となる。
また,$\frac{1}{6}$ 公式と上記の公式2,相加相乗平均の不等式より
$T=\dfrac{1}{2}\cdot\dfrac{(q-p)^3}{6\cdot 2}\\
=\dfrac{1}{24}\left(q+\dfrac{1}{q}\right)^3\\
\geq\dfrac{1}{24}2^3\\
=\dfrac{1}{3}$
ただし,等号成立条件は $q=\dfrac{1}{q}$,つまり $p=-1,q=1$ のときである。


東工大の問題がほとんど機械的な計算で解けました。おそらく10分もかかりません。ただし,記述式の解答では公式2の証明に準ずる計算を書くべきです。だから証明の流れを覚えておく必要があるのです。これで数分ロスしますが,問題を見た瞬間に解答の方針が浮かぶメリットの方が大きいでしょう。

$\frac{1}{6}$ 公式は記述式の問題で使ってもまず減点されません。特に東工大などの難関大では。

Tag: 大学入試で頻出の有名な関数まとめ

分野: いろんな関数  レベル: 最難関大学