2015/05/23

斜めの楕円の方程式(特に45度回転)

分野: 二次曲線  レベル: 最難関大学

1.原点を中心とする楕円は, $Ax^2+2Bxy+Cy^2=1$($A > 0, C > 0, AC-B^2 > 0$)という方程式で表せる。
2.逆に,上記の方程式は原点を中心とする楕円を表す。

斜めの楕円の方程式の一般形について,上の二つの定理を証明し,特に45度回転の場合について考察します。

斜めの楕円

・数学3で扱う楕円は主軸が $x$,$y$ 軸方向であるようなもの:$\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1$ です。これを原点中心に回転させた斜めの楕円について考えてみようというのがこの記事の趣旨です。

斜めの楕円

・入試でもまれに斜めの楕円が登場します。特に,$45^{\circ}$ 回転させたもの($A=C$ であるもの,詳細は後述)が頻出です。

$4x^2+2xy+3y^2=1$ という方程式は,$4 > 0, 3 > 0, 4\cdot 3-1^2 > 0$ より楕円を表す。

1の証明

まずは,数学3で扱ういつもの楕円を回転させるとどうなるか計算することで1を証明します。

証明の概略

原点を中心とする一般の楕円は「いつもの」楕円 $\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1$ を適切に回転させることで得られる。

実際,いつもの楕円を $\theta$ 回転させたものが$(X,Y)$ を通るとすると(回転行列を用いることにより),
$\dfrac{(X\cos\theta+Y\sin\theta)^2}{a^2}+\dfrac{(-X\sin\theta+Y\cos\theta)^2}{b^2}=1$

これは,整理すると $Ax^2+2Bxy+Cy^2=1$ という方程式になる。 $A > 0$ などは簡単に確認できる。

2の証明

こちらは少し大変です。高校数学のみで頑張って計算することもできますが,固有値,固有ベクトル対称行列の性質正定値行列の概念を用いるのがスマートです。

(2の証明,大学数学を使う)
$P=\begin{pmatrix} A&B\\B&C\end{pmatrix}$ と定義すると,題意の方程式は,$(x\:\:\:y)\:P\begin{pmatrix}x\\y\end{pmatrix}=1$ と書ける(二次形式の行列表現)。

ここで,条件より $P$ は正定値行列なので,ある直交行列(回転行列)$U$ を用いて $UPU^{\top}=\begin{pmatrix}\lambda_1& 0\\0&\lambda_2\end{pmatrix}$ ($\lambda_1 > 0,\lambda_2 > 0$)と対角化できる。

これを用いると,題意の方程式は,
$(x\:\:\:y)\:U^{\top}\begin{pmatrix}\lambda_1& 0\\0&\lambda_2\end{pmatrix}U\begin{pmatrix}x\\y\end{pmatrix}=1$ となる。

これは,$U$ による回転で $\lambda_1X^2+\lambda_2Y^2=1$ に移ることを表している。つまり,いつもの楕円を原点中心に回転させたものである。

45度回転させた楕円の方程式

45度回転した楕円

冒頭の式において,特に
$A=C\iff$ いつもの楕円を $45^{\circ}$ 回転させたもの

証明

いつもの楕円を $45^{\circ}$ 回転させたもの
$\iff$ $y=x$ に関して折り返しても図形は変わらない
に注意する。

  • $A=C$ のとき,$x$ と $y$ に関して対称な式となり,$y=x$ に関して折り返しても図形は変わらない。
  • $Ax^2+2Bxy+Cy^2=1$ は$(\pm\dfrac{1}{\sqrt{A}},0),(0,\pm\dfrac{1}{\sqrt{C}})$ を通るので,$y=x$ に関して折り返しても図形が変わらないとき,$A=C$ が必要である。

$x^2-xy+y^2=1$ はいつもの楕円を45度回転した図形である(上の図の赤線の図形)。

固有値,固有ベクトルの考え方を使えば高次元の二次曲面についても議論できます!
分野: 二次曲線  レベル: 最難関大学