2015/08/22

内接円の半径と三角形の面積

分野: 平面図形  レベル: 基本公式

三角形 $ABC$ の三辺の長さを $a,b,c$,面積を $S$,内接円の半径を $r$ とおくと,
$S=\dfrac{r}{2}(a+b+c)$

前半:例題2問
後半:公式の2通りの証明

例題

三角形の内接円とは,三辺にそれぞれ接する円です。内接円の中心が内心です。冒頭の公式より,三角形の三辺の長さと面積が分かれば内接円の半径も分かります。

例題1

三辺の長さが $3,4,5$ である三角形 $ABC$ の内接円の半径を求めよ。

解答

$3^2+4^2=5^2$ であり,三平方の定理の逆より三角形 $ABC$ は直角三角形である。よって,面積は $3\times 4\times\dfrac{1}{2}=6$
よって,内接円の半径を $r$ とすると,公式より
$6=\dfrac{r}{2}(3+4+5)$
よって, $r=1$


例題2

三辺の長さが $5,6,7$ である三角形 $ABC$ の内接円の半径を求めよ。

解答

今度は直角三角形でないので,ヘロンの公式を用いて三角形の面積 $S$ を求める。 $\dfrac{5+6+7}{2}=9$ であり,
$S=\sqrt{9\cdot 4\cdot 3\cdot 2}=6\sqrt{6}$
公式より,$6\sqrt{6}=\dfrac{r}{2}(5+6+7)$
よって $r=\dfrac{2\cdot 6\sqrt{6}}{18}=\dfrac{2}{3}\sqrt{6}$

公式の証明1

非常に重要な考え方です。必ず覚えて下さい。
三角形 $ABI$ の面積を $|ABI|$ などと書きます。

内接円の半径1

証明

内接円の中心を $I$ とおくと,
$S=|ABI|+|BCI|+|CAI|$

ここで、 $|ABI|=\dfrac{cr}{2}$,$|BCI|=\dfrac{ar}{2}$,$|CAI|=\dfrac{br}{2}$ より,$S=\dfrac{r}{2}(a+b+c)$

公式の証明2

証明1に比べて計算も大変で筋が悪いですが,全てを $a,b,c$ で表すという方針でも証明できます。

証明

・ヘロンの公式より,$S^2=\dfrac{1}{16}(a+b+c)(-a+b+c)(a-b+c)(a+b-c)$

内接円の半径2

・図において $r=x\tan\dfrac{A}{2}$
$(c-x)+(b-x)=a$ より $x=\dfrac{-a+b+c}{2}$
$\tan^2\dfrac{A}{2}=\dfrac{1-\cos A}{1+\cos A}\\
=\dfrac{2bc-b^2-c^2+a^2}{2bc+b^2+c^2-a^2}\\
=\dfrac{a^2-(b-c)^2}{(b+c)^2-a^2}\\
=\dfrac{(a-b+c)(a+b-c)}{(a+b+c)(-a+b+c)}$

以上より
$r^2=\dfrac{(-a+b+c)^2}{4}\dfrac{(a-b+c)(a+b-c)}{(a+b+c)(-a+b+c)}\\
=\dfrac{1}{4}\dfrac{(-a+b+c)(a-b+c)(a+b-c)}{a+b+c}$

二つの式から $S^2=\dfrac{r^2}{4}(a+b+c)^2$ となり,公式は証明された。

なお,傍心に関しても似たような公式が成立します。→内心と傍心の性質の比較

記事のボリュームが足りなかったので強引な証明2をやってみました。

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