2014/02/10

マクローリン展開

分野: 極限,微分  レベル: 最難関大学

マクローリン展開は,一般の関数 $f(x)$ を多項式で近似する方法である。その多項式は,$f$ の $x=0$ における高階微分係数から定まる。

マクローリン展開の一般形,具体例,諸注意。

マクローリン展開の一般形

高校数学で多く登場する三角関数,指数関数,対数関数を多項式のように扱うことができれば便利な場面が多いです。そこで以下の公式が活躍します。

$f(x)={\displaystyle\sum_{k=0}^{\infty}}f^{(k)}(0)\dfrac{x^k}{k!}\\=f(0)+f'(0)x+\dfrac{f”(0)}{2!}x^2+\dfrac{f^{(3)}(0)}{3!}x^3\cdots$

局所的な $x=0$ での情報($f(0), f'(0), f^{\prime\prime}(0),\cdots,$)が分かればより広い範囲での関数の振る舞いも分かることに感動していただきたいです!

なお,上の等式が成立するためには右辺の級数が収束することが必要です。また,右辺の級数が収束してももとの関数と一致するとは限りません(ここではそのようなヤバい例は考えないことにします,厳密なことを知りたい方は解析学の教科書を読んで下さい)。

具体例

具体的に三角関数,指数関数,対数関数に適用すると以下のようになります。

$\sin x={\displaystyle\sum_{k=0}^{\infty}}(-1)^k\dfrac{x^{2k+1}}{(2k+1)!}=x-\dfrac{x^3}{6}+\cdots$

$\cos x={\displaystyle\sum_{k=0}^{\infty}}(-1)^k\dfrac{x^{2k}}{(2k)!}=1-\dfrac{x^2}{2}+\cdots$
→sinとcosのマクローリン展開

$e^x={\displaystyle\sum_{k=0}^{\infty}}\dfrac{x^{k}}{k!}=1+x+\dfrac{x^2}{2}+\dfrac{x^3}{6}+\cdots$
→e^xのマクローリン展開,三角関数との関係

$\log (1+x)={\displaystyle\sum_{k=0}^{\infty}}(-1)^k\dfrac{x^{k+1}}{k+1}=x-\dfrac{x^2}{2}+\dfrac{x^3}{3}\cdots$
→log xのn階微分とテイラー展開

※ただし,$\log (1+x)$ に関しては$-1 < x\leq 1$ でのみ成立する式です。

諸注意

上記の4つの式の最右辺はマクローリン展開を3次の項までで打ち切ったものです。つまり,三角関数などの得体のしれない難しい関数を原点付近で3次関数に近似したものとみなせます。一般形を覚えても良いですが,実用上は3次の項まで覚えておけば多くの場合は事足ります。少なくとも4つの式の最右辺は完璧に覚えておくことをオススメします。

ただし,マクローリン展開を途中で打ち切ったものはあくまでも近似であることに注意してください。あくまで近似なので等式変形に用いることはできません。しかし,不等式の証明や極限値を求める場合など多くの場面で活躍します。

応用例に関してはマクローリン展開の応用例まとめを参考にしてください。

マクローリン展開を知っていると見通しがよくなる問題がたくさんあります。

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分野: 極限,微分  レベル: 最難関大学