2016/06/19

sinhx, coshx, tanhxの逆関数

分野: いろんな関数  レベル: 最難関大学

逆双曲線関数:
$y=\sinh x$ の逆関数は,$y=\log(x+\sqrt{x^2+1})$
$y=\cosh x\:(x\geq 0)$ の逆関数は,$y=\log(x+\sqrt{x^2-1})$ $(1\leq x)$
$y=\tanh x$ の逆関数は,$y=\dfrac{1}{2}\log\dfrac{1+x}{1-x}$ $(-1< x<1)$

双曲線関数

$\sinh x$ とは $\dfrac{e^{x}-e^{-x}}{2}$ のことです。
$\cosh x$ とは $\dfrac{e^{x}+e^{-x}}{2}$ のことです。
$\tanh x$ とは $\dfrac{e^{x}-e^{-x}}{e^{x}+e^{-x}}$ のことです。
これらは、双曲線関数と呼ばれる重要な関数です。

この記事では,双曲線関数の逆関数について考えます。$\sinh x$ と $\cosh x$ の逆関数の導出については双曲線関数にまつわる重要な公式まとめの中盤あたりを参照してください。

tanh xの逆関数

$\tanh x$ の逆関数を導出します。$\tanh x$ は狭義単調増加なので逆関数を考えることができます。→逆関数の3つの定義と使い分け

導出

$y=\dfrac{e^{x}-e^{-x}}{e^x+e^{-x}}$ を $x$ について解くのが目標。変形していく:
$e^xy+e^{-x}y=e^x-e^{-x}$
$e^{2x}(y-1)=-y-1$
$e^{2x}=\dfrac{1+y}{1-y}$

よって、$x=\dfrac{1}{2}\log\dfrac{1+y}{1-y}$ となり、求める表式を得る。

なお、$\tanh x$ の値域は $(-1,1)$ なので、$\tanh x$ の逆関数の定義域は $-1<x<1$ となります。

関連する入試問題

2015年後期の東北大学の入試問題です。小問をカットしています。

問題

$-1 < x< 1$ で定義された関数 $f(x)$ が以下を満たすとき,$f(x)$ を求めよ:

  • $-1$ より大きく $1$ より小さい任意の実数 $x,y$ に対して,$f(x)+f(y)=f\left(\dfrac{x+y}{1+xy}\right)$
  • $f(x)$ は $x=0$ で微分可能で,$f'(0)=1$

略解

$x=y=0$ とすると、$2f(0)=f(0)$ より $f(0)=0$ が分かる。
さらに,$y=-x$ とすると $f(-x)=-f(x)$ が分かる。

次に,$f'(x)$ を求めるために,$\dfrac{f(x+h)-f(x)}{h}$ について考える($h$ は十分 $0$ に近い実数)。
$\dfrac{f(x+h)-f(x)}{h}\\
=\dfrac{f(x+h)+f(-x)}{h}\\
=\dfrac{1}{h}f\left(\dfrac{h}{1-x^2-hx}\right)\\
=\dfrac{f(\frac{h}{1-x^2-hx})-f(0)}{\frac{h}{1-x^2-hx}}\cdot\dfrac{1}{1-x^2-hx}$
これと $f'(0)=1$ より、$f'(x)=\dfrac{1}{1-x^2}$

これを積分すると、$y=\dfrac{1}{2}\log\dfrac{1-x}{1+x}$ となる。これは $\tanh x$ の逆関数!

この記事のネタは高校時代お世話になった先生に提供していただきました,感謝!
分野: いろんな関数  レベル: 最難関大学