2016/10/25

逆関数の微分公式を例題と図で理解する

分野: 極限,微分  レベル: 入試対策

$\dfrac{dx}{dy}=\dfrac{1}{\frac{dy}{dx}}$
逆関数の微分は,もとの関数の微分の逆数

とりあえず例題を解いてみる

例題

$y=e^x$ の微分が $e^x$ であることを用いて,$y=\log x$ の導関数を求めよ。

解答

$y=\log x$ の微分を求めたい。これを変形する($x$ について解く)と,
$x=e^y$
この両辺を $y$ で微分すると,
$\dfrac{dx}{dy}=e^y$

よって,逆関数の微分公式より,
$\dfrac{dy}{dx}=\dfrac{1}{\frac{dx}{dy}}=\dfrac{1}{e^y}$
となる。
最後に $e^y=x$ を使うと,結局
$\dfrac{dy}{dx}=\dfrac{1}{x}$ となる。

なお,逆関数の微分公式の他の応用例は,逆三角関数の重要な性質まとめをどうぞ。

図で理解

上記の例題は,逆関数の微分公式 $\dfrac{dx}{dy}=\dfrac{1}{\frac{dy}{dx}}$ を知っていれば解くことができました。しかし,数式だけではこの公式の意味するところがよく分かりません。

そこで,逆関数の微分を図で理解してみましょう。以下,$f(x)$ の逆関数を $f^{-1}(x)$ と表記します。

逆関数の微分のイメージ

図より,
$y=f(x)$ の $(x_0,y_0)$ における接線の傾きは,
$y=f^{-1}(x)$ の $(y_0,x_0)$ における接線の傾きの逆数に等しい。

ということが分かります。

理由:
2本の接線は $y=x$ に関して対称(→逆関数の3つの定義と使い分け)。
$y=x$ に関して対称な2本の接線の傾きが互いに逆数の関係にあることは簡単に分かる。

例題の解答を分かりやすく書き直す

以上をふまえて,上記の例題の解答を書き直してみます。何をやっているかが分かりやすいと思います。

$y=\log x$ の導関数を求めたい。
つまり,$y=\log x$ の $(x_0,y_0)$ における接線の傾き (*) を求めればよい。

これは「図による理解」で述べたことにより
$y=e^x$ の $(y_0,x_0)$ における接線の傾き (**) の逆数に等しい。

$y=e^x$ の微分は $y’=e^x$ なので,
(**) は $e^{y_0}$ である。

よって,(*) は,$\dfrac{1}{e^{y_0}}$ となる。
また,$(x_0,y_0)$ は $y=\log x$ 上の点なので,$y_0=\log x_0$ である。

結局,(*) は $\dfrac{1}{x_0}$ となる。

この議論は定義域内の全ての $x_0$ で成り立つので,$y=\log x$ の導関数は $y=\dfrac{1}{x}$ である。

後半は楽しいですが,入試問題を解くためだけなら「とりあえず例題を解いてみる」の部分だけ理解できれば十分です。

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