2014/09/18

複素数平面において正三角形となる条件

分野: 複素数  レベル: 入試対策

複素数 $\alpha,\beta,\gamma$ に対応する複素数平面上の三点 $A(\alpha), B(\beta), C(\gamma)$ が正三角形となる必要十分条件は,
$(\alpha-\beta)^2+(\beta-\gamma)^2+(\gamma-\alpha)^2=0$


複素数平面における有名な定理です。この定理の証明を2通り解説します。

複素数平面における正三角形

  • まずは具体例で確認してみます。
    $A(0), B(1), C(\dfrac{1+\sqrt{3}i}{2})$
    とすると $ABC$ は正三角形となることが(図示してみれば)簡単に分かります。差の二乗和を計算してみると,$1^2+(\dfrac{1+\sqrt{3}i}{2})^2+(\dfrac{1-\sqrt{3}i}{2})^2=0$ となり,定理が成立していることが確認できます。
  • 定理の条件は
    $\alpha^2+\beta^2+\gamma^2=\alpha\beta+\beta\gamma+\gamma\alpha$
    と書くこともできます。こちらの形で出題されることもあります。
  • 差の二乗和が $0$ になるという条件は実数に限れば $\alpha=\beta=\gamma$ のみですが,複素数まで広げると様々な複素数の組で条件が満たされます。
  • $\alpha=\beta=\gamma$ の場合は辺の長さが無限小の正三角形とみなすことができます。以下では $\alpha,\beta,\gamma$ が全て異なる場合を考えて証明します。

複素数平面における正三角形条件の証明1

複素数平面における回転が複素数の積に対応していることを使います。

証明

$ABC$ が正三角形となるとき,以下の2パターンが考えられる。
1:三点 $ABC$ が反時計回りに並んでいるとき,
$\overrightarrow{AB}$ を $A$ を中心に $60^{\circ}$ 回転させたものが $AC$ となるので,
$\gamma-\alpha=(\dfrac{1+\sqrt{3}i}{2})(\beta-\alpha)$

2:三点 $ABC$ が時計回りに並んでいるとき,
$\overrightarrow{AB}$ を $A$ を中心に$-60^{\circ}$ 回転させたものが $AC$ となるので,
$\gamma-\alpha=(\dfrac{1-\sqrt{3}i}{2})(\beta-\alpha)$

いずれの場合も $\pm \sqrt{3}i$ 以外を左辺に移項して両辺二乗すると,
$(\dfrac{2(\gamma-\alpha)}{\beta-\alpha}-1)^2=-3\:\:\cdots (※)$

逆に$(※)$ が成立するとき上記の2パターンの式のいずれかが成立するので $ABC$ は正三角形となる。

よって,$(※)$ が複素数平面において三点が正三角形となる必要十分条件である。これを展開して整理すると,$\alpha^2+\beta^2+\gamma^2=\alpha\beta+\beta\gamma+\gamma\alpha$ となる。

複素数平面における正三角形条件の証明2

証明

$\overrightarrow{AB}$ から見た $\overrightarrow{BC}$ の回転角と拡大率を $Z_1$ とおく:
$\gamma-\beta=Z_1(\beta-\alpha)$
$\overrightarrow{BC}$ から見た $\overrightarrow{CA}$ の回転角と拡大率を $Z_2$ とおく:
$\alpha-\gamma=Z_2(\gamma-\beta)$

正三角形となる必要十分条件は $Z_1=Z_2$ なので(注)
求める条件は,
$\dfrac{\gamma-\beta}{\beta-\alpha}=\dfrac{\alpha-\gamma}{\gamma-\beta}$
これを整理すると $\alpha^2+\beta^2+\gamma^2=\alpha\beta+\beta\gamma+\gamma\alpha$ となる。

注:「正三角形→ $Z_1=Z_2$ 」であるのは自明。
「 $Z_1=Z_2$ →正三角形」については,
「回転角が等しい→ $\angle B=\angle C$ → $AB=AC$ 」であり等しい拡大率は $1$ であることから $AB=BC=CA$ が言える。

複素数平面の美しい定理募集してます。
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