2014/08/10

調和平均にまつわる重要な公式まとめ

分野: 式の計算  レベル: 入試対策

$\dfrac{2}{\tfrac{1}{a}+\tfrac{1}{b}}$ を $a$ と $b$ の調和平均と呼ぶ。

調和平均について覚えておくべき性質を整理しました。

いろいろな平均と調和平均

世の中にはいろいろな「平均」があります。それぞれに意味があるのですが,ダントツで一番有名なのは相加平均 $A$ (算術平均,arithmetic mean)です:
$A=\dfrac{a+b}{2}$

次に有名なのが相乗平均 $G$(幾何平均,geometric mean)です:
$G=\sqrt{ab}$

そして,三番目に有名なのが今回の主役,調和平均 $H$ (harmonic mean)です:
$\dfrac{1}{H}=\dfrac{1}{2}(\dfrac{1}{a}+\dfrac{1}{b})$


$2$ 個ではなく $n$ 個のもの$(x_1,x_2,\cdots,x_n)$ に対しても各平均が以下のように定義できます:

$A=\dfrac{x_1+x_2+\cdots +x_n}{n}$
$G=\sqrt[n]{x_1x_2\cdots x_n}$
$\dfrac{1}{H}=\dfrac{1}{n}(\dfrac{1}{x_1}+\dfrac{1}{x_2}+\cdots +\dfrac{1}{x_n})$

調和平均の意味

調和平均は算術平均に比べてお世話になる機会が少ないのですが,いろいろな分野で登場するらしいです。
一番有名なのは,以下の速度の問題です。

$1 $kmの道を行きは時速 $a $km,帰りは時速 $b $kmで往復したときの平均の速さは調和平均 $H $km/h。

一瞬平均の速さは相加平均 $\dfrac{a+b}{2}$ km/hだと思いがちですが,じっくり考えてみると調和平均になることが分かります:
行きにかかった時間が $\dfrac{1}{a}$ 時間,帰りにかかった時間が $\dfrac{1}{b}$ 時間なので,全体の平均の速さは,$\dfrac{2}{\tfrac{1}{a}+\tfrac{1}{b}}$ となります。

調和平均の不等式とその証明

相加平均と相乗平均の間に成り立つ不等式は非常に有名です。→相加相乗平均の不等式とそのエレガントな証明
実は,調和平均 $H$ と相乗平均 $G$ の間にも不等式が成立します。

相加相乗調和平均の不等式:
$H\leq G\leq A$

証明

$\dfrac{1}{x_1},\dfrac{1}{x_2},\cdots,\dfrac{1}{x_n}$
に対して相加相乗平均の不等式を用いると,
$\dfrac{1}{n}(\dfrac{1}{x_1}+\dfrac{1}{x_2}+\cdots +\dfrac{1}{x_n})\geq \sqrt[n]{\dfrac{1}{x_1x_2\cdots x_n}}$
左辺は調和平均 $H$ の逆数,右辺は相乗平均 $G$ の逆数なので両辺の逆数を取れば題意の不等式が得られる。

調和平均に関するその他の話題

・ $2$ 変数のときは各平均に関して $HA=G^2$ が成立します:
$\dfrac{2}{\tfrac{1}{a}+\tfrac{1}{b}}\dfrac{a+b}{2}=ab$

・逆数が等差数列であるような数列を調和数列と言います。

$1,\dfrac{1}{3},\dfrac{1}{5},\dfrac{1}{7}\cdots$

・その中でも特に以下のような数列の和を調和級数と言います:
$1+\dfrac{1}{2}+\dfrac{1}{3}+\cdots$ →調和級数1+1/2+1/3…が発散することの証明

3種類以外にもいろいろな平均があるようです
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