2014/11/02

ドモルガンの法則の解説

分野: 集合,命題,論証  レベル: 基本公式

ドモルガンの法則:
1:$\overline{A\cup B}=\overline{A}\cap \overline{B}$
2:$\overline{A\cap B}=\overline{A}\cup \overline{B}$

1’:$\overline{A_1\cup A_2\cup\cdots\cup A_n}=\overline{A_1}\cap \overline{A_2}\cap\cdots\cap\overline{A_n}$
2’:$\overline{A_1\cap A_2\cap\cdots\cap A_n}=\overline{A_1}\cup \overline{A_2}\cup\cdots\cup\overline{A_n}$


$A\cap B$ は集合の共通部分,$A\cup B$ は和集合,$\overline{A}$ は $A$ の補集合を表しています。

ドモルガンの法則について

  • ドモルガンの法則は入試で必要になることは少ないですが,式変形の途中にしれっと登場したりするので覚えておきましょう。
  • 以下ではドモルガンの法則を通じて集合の等式の証明について解説します。日本語による解説,ベン図による解説,真理値表(総当り)による解説。
  • なお,一般の $n$ 個の場合の1’,2’は二個の場合の1,2から帰納的に証明できます。

ドモルガンの法則の日本語による解説

ドモルガンの法則を日本語で表現すると以下のようになります。

1:「 $A$ または $B$ 」でない,という状況は
「 $A$ でない」かつ「 $B$ でない」という状況と同じ

2:「 $A$ かつ $B$ 」でない,という状況は
「 $A$ でない」または「 $B$ でない」という状況と同じ

多くの人はよく分からないと思いますが,この日本語を見ただけで納得できる人にとってはこの説明のみで十分でしょう。

メリット

・日本語にただなおすだけで集合の等式が理解できる。理解できると面白い。

デメリット

・みんなが納得できる説明ではない(数学的に厳密でない)。

ドモルガンの法則のベン図による解説

ドモルガンの法則

ドモルガンの法則はベン図を書けば簡単に理解できます。

1の式について:$\overline{A\cup B}$ も $\overline{A}\cap \overline{B}$ も上の図の緑の部分を表しています。

2の式について:$\overline{A\cap B}$ も $\overline{A}\cup \overline{B}$ も下の図の青の部分を表しています。

メリット

  • ベン図を書けば誰もが納得できる,分かりやすい。基本的には困ったらベン図を書くべし。
  • 集合が3つ以下ならどんな集合の等式もベン図で証明できる。

デメリット

・集合が4つ以上だと通用しない。

ドモルガンの法則の真理値表による解説

これはいわゆる総当りです。

真理値表

ある要素 $x$ が集合 $A$ に属しているかどうか,集合 $B$ に属しているかどうか四通りに場合分けします。そして等式の左辺に属しているか,右辺に属しているかそれぞれ調べます。

四通り日本語で説明するのはめんどくさいので表を書きます。このような表を真理値表と言います。
例えば二行目は $x$ が $A$ に属しており,$B$ に属していない場合に,$\overline{A\cup B}$ などに属しているかどうかを表しています。一つ一つ確認してみてください(横ではなく縦に見て埋めていくと楽です)。

メリット

・数学的に厳密,どんな等式にも対応できる。

デメリット

・ベン図が通用するならベン図の方が楽。集合の数が $n$ 個ある場合は $2^n$ 通り調べる必要がある。

まとめ

ドモルガンの法則含め,集合の等式については以下のように理解するとよいでしょう。

1:ベン図が簡単に書けるならそれで簡単に理解できる,
2:無理なら総当りで確かめればよい,
3:簡単なものなら日本語でいい変えてみると意味が分かってなお面白い。

なお,同様の議論が論理記号でも成立します。論理記号の等式の証明についても以上の考え方は有効です。

「ド」という名前がなかなか印象的です。

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