最終更新:2017/05/20

三次関数の極値を求める2通りの方法

分野: いろんな関数  レベル: 入試対策

三次関数の極値について,普通に代入する素直な方法と,多項式の割り算を使う方法を紹介します。

極値を持つ条件

三次関数 $f(x)=Ax^3+Bx^2+Cx+D$ について,
($f'(x)=3Ax^2+2Bx+C$ に注意すると)

$f(x)$ が極大値と極小値を1つずつ持つ
$\iff f'(x)=0$ が相異なる2つの実数解を持つ
$\iff f'(x)$ の判別式が正
$\iff B^2-3AC > 0$

$f(x)$ が極値を持たない
$\iff f'(x)=0$ の実数解が1つ以下
$\iff f'(x)$ の判別式が $0$ 以下
$\iff B^2-3AC \leq 0$

極値を計算する素直な方法

導関数 $f'(x)$ の符号が変わるところで極値をとります。

例題

$f(x)=x^3+3x^2-9x+1$ の極値を求めよ。

解答1

$f'(x)=3x^2+6x-9\\
=3(x^2+2x-3)\\
=3(x+3)(x-1)$
よって,
$x=-3$ で,$f'(x)$ がプラスからマイナスに変わるので極大値を取り,その値は
$(-3)^3+3(-3)^2-9(-3)+1\\
=-27+27+27+1=28$
また,
$x=1$ で,$f'(x)$ がマイナスからプラスに変わるの極小値を取り,その値は
$1+3-9+1=-4$

多項式の割り算を使う方法

極値を計算する際に,$f(x)$ を $f'(x)$ で割るという方法もあります。

解答2

$f(x)=x^3+3x^2-9x+1$ を $\dfrac{f'(x)}{3}=x^2+2x-3$ で割ると,

$x^3+3x^2-9x+1\\
=(x^2+2x-3)(x+1)-8x+4$

ここで,
$f'(-3)=f'(1)=0$ なので,
極大値は,$f(-3)=-8(-3)+4=28$
極小値は,$f(1)=-8+4=-4$

※この例題では,普通に計算する解答1の方が計算が楽です。しかし,$f'(x)=0$ の解が,$\dfrac{3\pm\sqrt{5}}{2}$ のように複雑になると,解答2の方が楽な場合もあります。

一般の場合

三次関数 $f(x)=x^3+ax^2+bx+c$ の極値を,上記の2通りの方法で計算してみましょう(関数を $\dfrac{1}{A}$ 倍しても極値は $\dfrac{1}{A}$ 倍になるだけなので,三次の係数は $1$ のものを考えました)。

方法1

$f'(x)=3x^2+2ax+b$ の解は,
$x=\dfrac{-a\pm\sqrt{a^2-3b}}{3}$

よって,$a^2-3b > 0$ のとき極値が存在して,その値は,
$\left(\dfrac{-a\pm\sqrt{a^2-3b}}{3}\right)^3\\
+a\left(\dfrac{-a\pm\sqrt{a^2-3b}}{3}\right)^2\\
+b\left(\dfrac{-a\pm\sqrt{a^2-3b}}{3}\right)+c\\
=\dfrac{-4a^3+9ab+(\pm 4a^2\mp 3b)\sqrt{a^2-3b}}{27}\\
+\dfrac{a^3+a^3-3ab\mp 2a\sqrt{a^2-3b}}{9}\\
+\dfrac{-ab\pm b\sqrt{a^2-3b}}{3}+c\\
=\dfrac{2a^3}{27}-\dfrac{ab}{3}+c\pm\left(\dfrac{2b}{9}-\dfrac{2a^2}{27}\right)\sqrt{a^2-3b}$

※途中の式は複号同順です。

方法2

$f'(x)=3x^2+2ax+b$ の解は,
$x=\dfrac{-a\pm\sqrt{a^2-3b}}{3}$

ここで,$f(x)$ を $f'(x)$ で割ると,
$f(x)=f'(x)\left(\dfrac{x}{3}+\dfrac{a}{9}\right)\\
+\left(\dfrac{2}{3}b-\dfrac{2}{9}a^2\right)x+c-\dfrac{ab}{9}$

極値をとる場所では $f'(x)=0$ なので,極値は,
$\left(\dfrac{2}{3}b-\dfrac{2}{9}a^2\right)\left(\dfrac{-a\pm\sqrt{a^2-3b}}{3}\right)\\
+c-\dfrac{ab}{9}\\
=\dfrac{2a^3}{27}-\dfrac{ab}{3}+c\pm\left(\dfrac{2b}{9}-\dfrac{2a^2}{27}\right)\sqrt{a^2-3b}$
となります。

どちらも計算が大変でしたが,個人的には方法2の方が少しだけ楽だと感じました。みなさんも,ぜひ実際に計算してみてください!
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