2015/05/17

cosxの微分公式のいろいろな証明

分野: 極限,微分  レベル: 基本公式

コサインの微分:
$y=\cos x$ の導関数は,$y’=-\sin x$

$\cos$ の微分公式をいろいろな方法で証明します。

コサインの微分のいろいろな証明方法

いろいろな方法があります!

1.加法定理で計算(重要)
2.和積公式で計算
3.図形的に解釈
4.平行移動したら $\sin$ になる(重要)
5. $\sin^2x+\cos^2x=1$ を用いる
6. $\sin 2x=2\sin x\cos x$ を用いる

1〜3はコサインの微分を直接求める方法です。サインの場合と全く同様(→sinxの微分公式の3通りの証明)なので,ここでは1のみ概要を示します。2,3もよい練習になるのでやってみてください。

4〜6はサインの微分公式:$(\sin x)’=\cos x$ を前提知識としてコサインの微分を証明します。以下でそれぞれ解説します。

1.加法定理で計算

証明

$(\cos x)’=\displaystyle\lim_{h\to 0}\dfrac{\cos (x+h)-\cos x}{h}\\
=\displaystyle\lim_{h\to 0}\dfrac{\cos x(\cos h-1)-\sin x\sin h}{h}\\
=\cos x\cdot 0 -\sin x\cdot 1\\
=-\sin x$

なお,最後の極限計算はサインの微分を証明するときと全く同じです。よく分からない方は上記リンク先を参照して下さい。

4.平行移動を用いる

$\cos x=\sin (x+\dfrac{\pi}{2})$ を用います。

証明

$(\cos x)’=(\sin (x+\frac{\pi}{2}))’$
ここで,サインの微分がコサインであることと,合成関数の微分公式より,
$(\sin (x+\frac{\pi}{2}))’=\cos (x+\frac{\pi}{2})$
さらに,加法定理より,
$\cos (x+\frac{\pi}{2})=-\sin x$

サインとコサインは「平行移動で移り会える,似たものどうし」と覚えておきましょう。

5.三角関数の公式を用いる

以下二つの証明は邪道ですが,けっこう面白いので解説します。

$\sin^2x +\cos^2x=1$ を用いて証明します。なお,$\cos x$ が連続微分可能であることを仮定しています。

証明

$\sin^2x+\cos^2x=1$ の両辺を $x$ で微分する(合成関数の微分公式を用いる)と,
$2\sin x\cos x+2\cos x(\cos x)’=0$
よって,$\cos x\neq 0$ なる $x$ では$(\cos x)’=-\sin x$
導関数が連続関数という仮定のもと,$\cos x= 0$ なる点でも$(\cos x)’=-\sin x$ が成立する。

6.倍角の公式を用いる

5と似たような方法ですが,今回はサインの倍角公式を用います。同様に $\cos x$ が連続微分可能であることを仮定しています。

証明

$\sin 2x=2\sin x\cos x$ の両辺を微分すると,
$2\cos 2x=2\sin x(\cos x)’+2\cos^2 x$
ただし,左辺では合成関数の微分,右辺では積の微分公式を用いた。両辺を2で割り,倍角の公式を用いると,
$2\cos^2x-1=\sin x(\cos x)’+\cos^2x$
整理すると,
$-\sin^2x=\sin x(\cos x)’$
よって,$\sin x\neq 0$ なる $x$ では$(\cos x)’=-\sin x$
導関数が連続関数という仮定のもと,$\sin x= 0$ なる点でも$(\cos x)’=-\sin x$ が成立する。

証明5,地味に好きです。

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