分野: 極限,微分


マクローリン展開を用いると,一般の関数 $f(x)$ を多項式で近似することができる。その多項式は,$f$ の $x=0$ における高階微分係数から定まる。

マクローリン展開の一般形,具体例,諸注意。


複数の関数の積の微分を効率よく行う公式
$f, g, h$ を $x$ の関数とする。関数の積は以下のように微分できる:
(i) $(fg)’=f’g+fg’$
(ii) $(fg)^{\prime\prime}=f^{\prime\prime}g+2f’g’+fg^{\prime\prime}$
(iii) $(fgh)’=f’gh+fg’h+fgh’$


分数関数の極値を求めるテクニックを2つ紹介します。

1つ目は $y=\dfrac{f(x)}{g(x)}$ の形の関数ならどんなものでも使える実践的なテクニック,
2つ目は分母が2次式,分子が1次式の場合にのみ使えるエレガントなテクニックです。


問題

$f(x)=(x+\dfrac{1}{2})\log(1+\dfrac{1}{x})-1$
とおくとき,$x \geq 1$ において
$0 <f(x) <\dfrac{1}{4x(x+1)}$ が成立することを示せ。

受験で出てきそうな問題です。やや難問。


公式1:$\displaystyle\lim_{x\to 0}\dfrac{e^x-1}{x}=1$
公式2:$\displaystyle\lim_{x\to 0}\dfrac{x}{\log(1+x)}=1$

どちらも超頻出公式です。指数関数と対数関数に関係する極限の問題(で有限の値に収束するもの)のほとんどがこの公式の変形版です。


はさみうちの原理(数列版):
任意の自然数 $n$ に対して(または十分大きな $n$ に対して)
$a_n \leq b_n \leq c_n$ が成立し,
$\displaystyle\lim_{n\to\infty}a_n=\lim_{n\to\infty}c_n=\alpha$ なら
$\displaystyle\lim_{n\to\infty}b_n=\alpha$


$f(x)$ が $0\leq x\leq 1$ で連続微分可能なとき $\displaystyle\lim_{n\to\infty}\sum_{k=1}^{2n}(-1)^kf(\dfrac{k}{2n})=\dfrac{1}{2}(f(1)-f(0))$

一見複雑ですが美しい公式です。公式の自然な証明とこの公式を応用する例として京大2003後期第5問を解説します。


バーゼル問題:平方数の逆数和は $\dfrac{\pi^2}{6}$ に収束する。つまり,
$\displaystyle\sum_{k=1}^{\infty}\dfrac{1}{k^2}=1+\dfrac{1}{4}+\dfrac{1}{9}+\cdots=\dfrac{\pi^2}{6}$

平方数の逆数和はいくつに収束するのか?という問題がバーゼル問題です。高校数学で理解できるバーゼル問題の証明を解説します。


$x\to\infty$ の極限において,無限に大きくなるスピードは,
$x$ の対数関数 $\ll$ $x$ の多項式 $\ll$ $x$ の指数関数

$\dfrac{\infty}{\infty}$ の不定形極限の重要な話題です。


右極限:右から近づいたときの極限
左極限:左から近づいたときの極限
右連続:右から近づいたときにつながっている
左連続:左から近づいたときにつながっている

関数の右極限,左極限,右連続,左連続,連続について解説します。


合成関数の微分は(かたまりで微分)×(かたまりの微分)

合成関数の微分の計算方法を例題を通じて体得してください。例題7ができれば何の心配もいりません。


曲線を局所的に円弧とみなしたときの円の半径をその点における曲率半径と言う。曲率半径の逆数を曲率といい,$\kappa$ で表す。

受験レベルとしてはややマニアックですが曲率半径を題材とした入試問題もときどき出題されます。


$y=\tan x$ の逆関数 $y=\mathrm{Arctan}\:x$ のマクローリン展開($x=0$ でのテイラー展開)は,
$\mathrm{Arctan}\:x=\displaystyle\sum_{n=1}^{\infty}\dfrac{(-1)^{n-1}}{2n-1}x^{2n-1}=x-\dfrac{x^3}{3}+\dfrac{x^5}{5}-\dfrac{x^7}{7}+\cdots $
である(収束半径は $1$)。


積の微分公式:
$f(x),g(x)$ が(考えている区間で)微分可能なとき
$\{f(x)g(x)\}’=f'(x)g(x)+f(x)g'(x)$

積の微分法則,ライプニッツルールなどとも呼ばれる超重要な公式です。


ー連続,微分可能の直感的な意味ー
連続:関数のグラフがつながっている
微分可能:関数のグラフが滑らか

  • 連続,微分可能の定義
  • 微分可能なら連続であることの証明
  • 連続でも微分可能とは限らない例

を解説します。


$f’,g’$を $x$ の関数とする。
1.逆数の微分公式:$\dfrac{1}{f}$ の微分は$-\dfrac{f’}{f^2}$
2.商の微分公式:$\dfrac{g}{f}$ の微分は $\dfrac{g’f-f’g}{f^2}$


べき関数の微分:
1.任意の正の整数に対し,$(x^n)’=nx^{n-1}$
2.より一般に,任意の実数 $\alpha$ に対し,$(x^{\alpha})’=\alpha x^{\alpha-1}$

1を三通りの方法で証明します。三番目の方法は2の証明にも適用できます。


チェザロ平均についての定理:
数列 $a_n$ に対して,$c_n=\dfrac{a_1+a_2+\cdots +a_n}{n}$ をチェザロ平均という。
$\displaystyle\lim_{n\to\infty}a_n=\alpha$ なら $\displaystyle\lim_{n\to\infty}c_n=\alpha$

この定理に関連する東大入試の問題,およびこの定理の証明を解説します。


$\tan x$ のマクローリン展開($x=0$ におけるテイラー展開)は
$\tan x=x+\dfrac{1}{3}x^3+\dfrac{2}{15}x^5+\dfrac{17}{315}x^7+\cdots$

$\tan x$ の $n$ 階微分を $n=5$ くらいまで計算してみましょう。いくつか面白い性質が発見できます。