最終更新:2017/01/18

1/(1-x) のテイラー展開と近似式

分野: いろんな関数  レベル: 最難関大学

$\dfrac{1}{1-x}=1+x+x^2+\cdots$
$(-1 < x < 1)$

単純に初項 $1$,公比 $x$ の無限等比級数(→無限等比級数の収束,発散の条件と証明など)と考えることもできますが,他の見方もあります。

有名な近似式

$x$ が $0$ に近いとき,冒頭の式で $x$ の二次以上の項を無視することで,
$\dfrac{1}{1-x}\fallingdotseq 1+x$
を得ます。これは物理でもときどき使う近似式です。

$\dfrac{1}{1+x}\fallingdotseq 1-x$
と書くこともできます。

より一般に,$b\neq 0$ のとき,
$\dfrac{a}{b-cx}=\dfrac{a}{b}\cdot\dfrac{1}{1-(\frac{c}{b}x)}\\
\fallingdotseq\dfrac{a}{b}\left(1+\dfrac{c}{b}x\right)$
という $x$ が $0$ に近いときに使える一次近似式が成立します。

テイラー展開から導出

実は,冒頭の式は $\dfrac{1}{1-x}$ の $x=0$ におけるテイラー展開(マクローリン展開)とみなすことができます。これを確認してみましょう。

前提知識:マクローリン展開

$\frac{1}{1-x}$ のテイラー展開

$f(x)=\dfrac{1}{1-x}=(1-x)^{-1}$ とおくと,
$f'(x)=(-1)(1-x)^{-2}\cdot(-1)=(1-x)^{-2}$

二階微分は,
$f”(x)=(-2)(1-x)^{-3}\cdot(-1)\\
=2(1-x)^{-3}$

以下同様にして,
$f^{(n)}(x)=n!(1-x)^{-n-1}$
であることが分かる。

よって,全ての非負整数 $n$ に対して
$f^{(n)}(0)=n!$
である。

したがって,テイラー展開の式
$f(x)=f(0)+\dfrac{f'(0)}{1!}x+\dfrac{f”(0)}{2!}x^2+\cdots$
より,
$\dfrac{1}{1-x}=1+x+x^2+\cdots$
となる。

グラフ

1/1-xのテイラー展開と近似

せっかくなのでグラフの概形を書いてみました。

青:$y=\dfrac{1}{1-x}$(反比例のグラフを平行移動させたもの)
黒:$y=1+x$

たしかに $x$ が $0$ に近いとき,青と黒は近いです。

赤:$y=1+x+x^2+x^3$
(三次の項まで残して四次以上を無視したもの)
は黒よりもさらに $y=\dfrac{1}{1-x}$ に近いです。

分母が二次式になると,高階導関数を計算するのが一気に大変になります。
分野: いろんな関数  レベル: 最難関大学