2015/05/07

関数の連続性と微分可能性の意味と関係

分野: 極限,微分  レベル: 基本公式

ー連続,微分可能の直感的な意味ー
連続:関数のグラフがつながっている
微分可能:関数のグラフが滑らか

  • 連続,微分可能の定義
  • 微分可能なら連続であることの証明
  • 連続でも微分可能とは限らない例

を解説します。

連続性,微分可能性の定義

連続性の定義
「グラフがつながっている」を数学的にきちんと言うには極限操作が必要になります。

以下の条件を満たすとき,関数 $f(x)$ は $x=a$ で連続と言う:
・ $\displaystyle\lim_{x\to a}f(x)$ が存在してその値が $f(a)$ に等しい

より詳しくは,関数の右極限,左極限と連続性


微分可能性の定義
「グラフが滑らかである」→ $x=a$ 付近を直線で近似できる→微分係数が存在する(接線の傾きが一通りに定まる),と解釈します。

以下の条件を満たすとき,関数 $f(x)$ は $x=a$ で微分可能と言う:
・ $\displaystyle\lim_{h\to 0}\dfrac{f(a+h)-f(a)}{h}$ が存在する。

上記の極限値を $x=a$ における微分係数と呼び,$f'(a)$ と書きます。

区間における連続性,微分可能性

以上の定義は $x=a$ での連続性,微分可能性と言うローカルなものでした。ローカルな定義を用いてグローバルな連続性,微分可能性も定義されます:

  • 区間 $I$ 内の任意の点で $f(x)$ が連続なとき,$f(x)$ は区間 $I$ で連続と言う。
  • 区間 $I$ 内の任意の点で $f(x)$ が微分可能なとき,$f(x)$ は区間 $I$ で微分可能と言う。

注:定義域全体で連続な関数を単に「連続関数」,定義域全体で微分可能な関数を単に「微分可能な関数」と言うことが多いです。

以下ではローカルな連続性と微分可能性の関係を考察します。

微分可能なら連続

関数 $f(x)$ が $x=a$ で微分可能なら $x=a$ で連続。

直感的には「グラフが滑らかならつながっている」という意味です。

証明

$x=a$ で微分可能
→ $\displaystyle\lim_{h\to 0}\dfrac{f(a+h)-f(a)}{h}$ が存在する(有限の値となる)
→ $\displaystyle\lim_{h\to 0}\{f(a+h)-f(a)\}=0$
→ $\displaystyle\lim_{h\to 0}f(a+h)=f(a)$
→ $x=a$ で連続

連続でも微分可能とは限らない

関数 $f(x)$ が $x=a$ で連続でも $x=a$ で微分可能とは限らない

直感的には「グラフがつながっていても滑らかとは限らない」という意味です。例としては絶対値関数が非常に有名です。

例題

$y=|x|$ は $x=0$ で連続だが微分可能でないことを確認せよ。

  • $\displaystyle\lim_{h\to 0}f(h)=0=f(0)$ なので $x=0$ で連続
  • $\dfrac{f(h)-f(0)}{h}=\dfrac{|h|}{h}$,$h$ が右から $0$ に近づく場合は $1$,左から $0$ に近づく場合は $-1$ となるので極限値は存在しない。つまり微分不可能。
連続関数でありながらいたるところ微分不可能であるような,直感的に想像しがたい複雑な関数もあります。(ワイエルシュトラス関数)

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