2015/01/05

球の体積と表面積を積分で証明

分野: 空間図形  レベル: 基本公式

半径 $r$ の球の表面積は $S=4\pi r^2,\:$球の体積は $V=\dfrac{4}{3}\pi r^3$ である。


球の体積と表面積の公式を積分を使って導出します。表面積は3通りの説明を解説します。積分の感覚をつかむよい練習になります。

覚え方など

公式導出の前に球の表面積と体積に関して認識しておくべきことです。

・以下の語呂合わせで覚える方法が有名です:
表面積:$4\pi r^2$ →「心配アール二乗」
体積:$\dfrac{4}{3}\pi r^3$ →「身の上に心配アール三乗」

・表面積は半径の二乗に比例し,体積は半径の三乗に比例することは感覚的に明らかです。よって,公式を覚えていなくても
$S=Ar^2,\:V=Br^3$ ということが分かります。

  • $A$ がだいたい $12.5$ で $B$ が $4$ より少し大きいというわけです。特に体積が一辺 $r$ の立方体 $4$ 個ぶんちょっとということは感覚的に納得できます。
  • 高校数学ではそもそも曲面の面積ってなんだ?って感じなので,表面積の導出に関しては一部厳密でない表現も含まれています,ご了承ください。

体積の証明

まずは体積公式を証明します。数学Ⅲで習う「回転体の体積を求める公式」を使います。球を輪切りにして体積を足しあわせます。

球の体積の証明

証明

$xy$ 平面上で原点を中心とした半径 $r$ の円板 $C$ を $x$ 軸の回りに回転させた立体は半径 $r$ の球である。
$C$ の境界の上半分は $y=\sqrt{r^2-x^2}$ である。

よって,
$V=\displaystyle\int_{-r}^r\pi (\sqrt{r^2-x^2})^2dx\\
=2\pi\int_{0}^r(r^2-x^2)dx\\
=2\pi[r^2x-\dfrac{x^3}{3}]_{0}^r\\
=\dfrac{4}{3}\pi r^3$

表面積の証明1

まずは表面積を積分で直接求めに行きます。

球の表面積の導出

証明

緯度が $\theta$ から $\theta+\Delta \theta$ の部分(帯のような図形)の表面積を考える。

周の長さは $2\pi r\cos\theta$,帯の幅は $r\Delta\theta$ なので帯の表面積は,
$2\pi r^2\cos\theta\Delta\theta$

よって,$\Delta\theta\to 0$ の極限を考えることで
$S=\displaystyle\int_{-\frac{\pi}{2}}^{\frac{\pi}{2}}2\pi r^2\cos\theta d\theta\\
=4\pi r^2$

表面積の証明2

次に球の体積公式を用いた方法です。
球の体積を $r$ で微分したものが球の表面積になることが分かります。

証明

半径 $t$ の球の表面積を $S(t)$ と書く。半径 $r$ の球を「薄い球殻」を寄せ集めたものとみなして体積を求める。

球の表面積の証明2

三次元空間において原点からの距離が $t$ 以上 $t+\Delta t$ 以下の間にある部分を考える(このような図形を球殻と呼ぶ)。
$\Delta t$ が十分小さいとき,この球殻の体積は $S(t)\Delta t$ とみなせる(表面積×厚さ)。このような球殻を $t=0$ から $t=r$ まで寄せ集めたものが半径 $r$ の球であり,体積は $\dfrac{4}{3}\pi r^3$ である。

よって,$\Delta t\to 0$ の極限で
$\displaystyle\int_0^{r}S(t)dt=\dfrac{4}{3}\pi r^3$
両辺を $r$ で微分すると $S(r)=4\pi r^2$ を得る。

表面積の証明3

上記の二つの導出方法よりも感覚的な説明になってしまいますが,以下の見方も面白いです。

(説明)
内接球の半径を求める一般的な公式より,(内接球が存在するような)任意の多面体において,$V=\dfrac{1}{3}rS$ が成立する。

球に限りなく近い多面体についても
$V=\dfrac{1}{3}rS$
が成立するので,極限を考えることで球についても
$S=\dfrac{3V}{r}=4\pi r^2$

自分は表面積の三つ目の導出が好きです。
分野: 空間図形  レベル: 基本公式