最終更新:2019/04/28

等比数列の和の公式の証明といろいろな例

分野: 数列  レベル: 基本公式

等比数列とは,$1,3,9,27,81$ のように「一定の比率で変化していく」ような数列のことです。$1+3+9+27+81$ のような等比数列の和は,等比数列の和の公式を使って計算することができます。

等比数列の和の公式について使用例や証明を解説します。また,等比数列の和のいろいろな応用例も解説します。

等比数列の和の公式

初項が $a$,公比 $r$,項数 $n$ の等比数列の和は($r\neq 1$ のもとで),
$\dfrac{a(1-r^n)}{1-r}$
となる。

例えば, $1+3+9+27+81$ を計算してみましょう。
これは,初項が $1$,公比が $3$,項数が $5$ の等比数列の和なので,公式を使うと,
$\dfrac{a(1-r^n)}{1-r}=\dfrac{1\times(1-3^5)}{1-3}\\
=121$
のように計算できます。

このように,等比数列の和は,足し算を1つずつ計算しなくても,公式を使うことで素早く計算することができます。

いろいろな等比数列の和

等比数列の和の公式:
$\dfrac{a(1-r^n)}{1-r}$
をいろいろな等比数列に使ってみましょう。

・公比が負の数でも分数でもOK。
$2+2(-\dfrac{1}{3})+2(-\dfrac{1}{3})^2+\cdots +2(-\dfrac{1}{3})^9$
は,初項 $2$,公比$-\frac{1}{3}$,項数 $10$ の等比数列の和なので,
$\dfrac{2(1-(-\frac{1}{3})^{10})}{1-(-\frac{1}{3})}\\
=\dfrac{3}{2}(1-(-\dfrac{1}{3})^{10})$


・文字式でもOK。
$a+a^3+a^5+\cdots +a^{2n-1}$
は,初項 $a$,公比 $a^2$,項数 $n$ の等比数列の和なので,
$\dfrac{a(1-a^{2n})}{1-a^2}$
となります。($a^2\neq 1$ のもとで)


・シグマの形で登場することもある。
$\displaystyle\sum_{k=1}^n2x^k$
は,初項 $2x$,公比 $x$,項数 $n$ の等比数列の和なので,
$\dfrac{2x(1-x^n)}{1-x}$
となります。($x\neq 1$ のもとで)

等比数列の和の公式の証明

等比数列の和の公式の証明方法はもとの式と公比倍した式の差を取ると覚えましょう。

証明

初項が $a$,公比 $r$,項数 $n$ の等比数列の和を $S_n$ とおくと,
$S_n=a+ar+ar^2+\cdots +ar^{n-2}+ar^{n-1}$
両辺を $r$ 倍する:
$rS_n=ar+ar^2+ar^3+\cdots +ar^{n-1}+ar^n$

両辺の(上の式)ー(下の式)を計算する(右辺の途中の項は打ち消し合う!):
$S_n-rS_n=a-ar^n$
これを $S_n$ について解く:
$S_n(1-r)=a(1-r^n)$
$S_n=\dfrac{a(1-r^n)}{1-r}$

ちなみに(無粋ですが)数学的帰納法で証明することもできます。

等比数列の和の応用例

最後に,等比数列の和の公式の考え方を使ったいろいろな応用例を紹介します。

難しい数列の和の計算に応用する

・等差数列×等比数列の和は求まる。
$\displaystyle\sum_{k=1}^nk^pr^k$ というタイプの和です。 $p=0$ が等比数列の和,$p=1$ が等差×等比の和,$p=2$ までは出題されることがあります。→等比×等差の和を求める2通りの方法

整数問題に応用する

・一種類のみの整数からなる整数は指数を使って表せる。
$7777777=7+7\times 10+7\times 10^2+\cdots +7\times 10^6$
は初項 $7$,公比 $10$,項数 $7$ の等比数列の和とみなせるので,
$7777777=\dfrac{7(1-10^7)}{1-10}=\dfrac{7}{9}(10^7-1)$

※等比数列の和の公式を使わなくても $7777777$ を $\dfrac{9}{7}$ 倍すれば $9$ が並ぶから $10^n-1$ という形で書けるということは分かります。
※繰り返すタイプの数字には同様な議論が使えます。例えば $3939393939$ は初項 $39$,公比 $100$,項数 $5$ の等比数列の和。

ちなみに,全ての桁が $1$ であるような数をレプユニット数と言います。レプユニット数の性質を調べるときにも,等比数列の和の公式は活躍します。→レプユニット数

因数分解に応用する

・ $a^n-b^n$ の形は因数分解できる。
等比数列の和の公式の分母を払うと$(a+ar+\cdots +ar^{n-1})(1-r)=a(1-r^n)$ となります。この両辺を $a$ で割ると $1-r^n$ を因数分解する式とみなせます。→因数分解公式(n乗の差、和)

三角関数の計算に応用する

・位相が等差数列であるような三角関数の和が求まる。
$\cos\dfrac{\pi}{7}+\cos\dfrac{3\pi}{7}+\cos\dfrac{5\pi}{7}$ などです。
複素指数関数を用います。→三角関数の和と等比数列の公式

物理に応用する

「何回もバウンドするボール」の運動を解析するときにも,等比数列の和の公式が活躍します。
→反発係数を考慮した自由落下の有名問題

大学になってからもしばしば使う重要な公式です。

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