x^3/e^x-1の定積分

0x3ex1dx=π415\displaystyle\int_0^{\infty}\dfrac{x^3}{e^x-1}dx=\dfrac{\pi^4}{15}

Planck の法則から Stefan–Boltzmann 定数を計算するときに登場する広義積分です[1]。

積分公式の証明

高校数学の知識だけでも雰囲気は理解できると思います。

証明

無限等比級数の公式より,

n=1enx=ex+e2x+e3x+=ex1ex=1ex1\displaystyle\sum_{n=1}^{\infty}e^{-nx}\\ =e^{-x}+e^{-2x}+e^{-3x}+\cdots\\ =\dfrac{e^{-x}}{1-e^{-x}}\\ =\dfrac{1}{e^x-1}

よって,

I=0x3ex1dx=0n=1x3enxdx=n=10x3enxdxI=\displaystyle\int_{0}^{\infty}\dfrac{x^3}{e^x-1}dx\\ =\displaystyle\int_0^{\infty}\sum_{n=1}^{\infty}x^3e^{-nx}dx\\ =\displaystyle\sum_{n=1}^{\infty}\int_0^{\infty}x^3e^{-nx}dx

(→補足1:極限と積分の交換)

ここで,瞬間部分積分を用いて中身の積分を計算すると,

0x3enxdx=[(x3n3x2n26xn36n4)enx]0=6n4\displaystyle\int_0^{\infty}x^3e^{-nx}dx\\ =\left[\left(-\dfrac{x^3}{n}-\dfrac{3x^2}{n^2}-\dfrac{6x}{n^3}-\dfrac{6}{n^4}\right)e^{-nx}\right]_0^{\infty}\\ =\dfrac{6}{n^4}

よって,

I=n=16n4=6ζ(4)=π415I=\displaystyle\sum_{n=1}^{\infty}\dfrac{6}{n^4}\\ =6\zeta(4)\\ =\dfrac{\pi^4}{15}

(→補足2:ゼータ関数)

証明の補足

補足1

fk(x)=n=1kx3enxdxf_k(x)=\displaystyle\sum_{n=1}^kx^3e^{-nx}dx

とおくと,limkfk(x)\displaystyle\lim_{k\to\infty}f_k(x)x0x\geq 0

f(x)=x3ex1f(x)=\dfrac{x^3}{e^x-1}

(ただし f(0)=0f(0)=0 )に一様収束することが分かるので,極限と積分の順番が交換できます:

0f(x)dx=limk0fk(x)dx\displaystyle\int_0^{\infty}f(x)dx=\lim_{k\to\infty}\displaystyle\int_0^{\infty}f_k(x)dx

補足2

s>1s > 1 に対して n=11ns\displaystyle\sum_{n=1}^{\infty}\dfrac{1}{n^s} のことをゼータ関数と言い,ζ(s)\zeta(s) と書きます。 →ゼータ関数の定義と基本的な話

ζ(2)=π26\zeta(2)=\dfrac{\pi^2}{6} は有名です。→バーゼル問題の初等的な証明

また,ζ(4)=π490\zeta(4)=\dfrac{\pi^4}{90} であることが知られています。

一般化

上記の方法を一般化すると,

0xmex1dx=m!(11m+1+12m+1+)\displaystyle\int_0^{\infty}\dfrac{x^m}{e^x-1}dx=m!\left(\dfrac{1}{1^{m+1}}+\dfrac{1}{2^{m+1}}+\cdots \right)

となることが分かります[2]。

右辺を Γ\Gamma 関数と ζ\zeta 関数を用いて書くと,

Γ(m+1)ζ(m+1)\Gamma(m+1)\zeta(m+1) となります。

参考文献

[1]Stefan–Boltzmann law

[2]Riemann Zeta Function

ζ(4)\zeta(4) が高校数学範囲内で計算できるのかも気になります。

→読者の方に教えていただきましたが,バーゼル問題の初等的な証明と同様の方法で計算できますね。