最終更新:2019/05/07

正弦定理の意味と頻出の応用例

分野: 三角比・三角関数  レベル: 基本公式

正弦定理とは

正弦定理とは,三角形において,
$\dfrac{a}{\sin A}=\dfrac{b}{\sin B}=\dfrac{c}{\sin C}=2R$
が成立するという定理です。ただし,$R$ は外接円の半径です。

このページでは,正弦定理の証明や,正弦定理を活用するための意識応用例を解説します。

正弦定理自体は単純で教科書にも載っていますが,正弦定理の意味を理解して使いこなすにはいくつかコツを覚えておく必要があります。

正弦定理の証明

正弦定理の証明方法はいくつかありますが,以下の証明が直感的に分かりやすいと思います。

証明

全ての内角が $90^{\circ}$ 以下の場合:

正弦定理の証明

円周角の定理より,
$\angle A=\dfrac{1}{2}\angle BOC=\angle MOC$
よって,
$\sin A=\sin\angle MOC=\dfrac{MC}{CO}$

ここで,$CO=R$(外接円の半径),$MC=\dfrac{a}{2}$($M$ は $BC$ の中点)なので,
$\sin A=\dfrac{a}{2R}$
よって,
$\dfrac{a}{\sin A}=2R$
となる。同様に,
$\dfrac{b}{\sin B}=2R$
$\dfrac{c}{\sin C}=2R$
も分かる。

$\angle A$ が $90^{\circ}$ より大きい場合:

正弦定理の証明(鈍角の場合)

さきほどと同様に,円周角の定理を使うと,
$\sin (180^{\circ}-A)=\dfrac{a}{2R}$
が分かる。これと,
$\sin (180^{\circ}-A)=\sin A$
を使うと,
$\sin A=\dfrac{a}{2R}$
が分かる。

正弦定理の頻出応用例

正弦定理の応用例

円に内接する四角形と正弦定理の相性はよいです。特に,直角を2つ持つ右の図のような四角形では,四角形は円に内接し,辺 $AC$ が外接円の直径になるので正弦定理より以下の性質が成り立ちます。
$\dfrac{BD}{\sin\angle BAD}=AC$

この構図は三角形の垂心が絡んだ問題など,図形に関する性質を証明するときにもしばしば利用されるので頭の引き出しに入れておきましょう。(特に数学オリンピックでは頻出)
→線分の長さにまつわる頻出の形

正弦定理を活用するための意識1

正弦定理の証明では円周角の定理しか用いていません。つまり,正弦定理を用いるということは円周角の定理を暗に用いることとも言えます。よって,三角形の形状決定問題はもちろんのこと,円が絡む問題で正弦定理が活躍することが多いです。

正弦定理を活用するための意識2

正弦定理を用いれば,角度の情報を辺の情報と外接円の半径に変換することができます。一般的に,辺の情報のほうが角度の情報より扱いやすいので正弦定理は角度の情報を消去するために使われることが多いです。

三角形の面積の公式 $S=\dfrac{1}{2}ab\sin C$ において角度の情報を消すと有用な公式 $S=\dfrac{abc}{4R}$ が得られる。(→外接円の半径と三角形の面積の関係

また,正弦定理により導かれた上記の公式と,ヘロンの公式を用いることで,外接円の半径を辺の情報だけで表すこともできます。このテクニックは図形の性質の証明の際に役立ちます。(例:外接円の半径と三角形の面積の関係の中のオイラーの不等式の証明)

正弦定理を使うことで角度の情報や外接円の半径は辺の情報で表すことができると覚えておきましょう。(余弦定理でも角度の情報を辺の情報に変換することができます,場面に応じて使い分けましょう。)

角度が邪魔なら正弦定理,直角2つで正弦定理

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