常用対数の覚え方と検算への応用

覚えておくと便利な常用対数
  • log1020.3010\log_{10} 2\fallingdotseq 0.3010
  • log1030.4771\log_{10} 3\fallingdotseq 0.4771
  • log1070.8451\log_{10} 7\fallingdotseq 0.8451
  • logex2.3log10x\log_{e} x\fallingdotseq 2.3\log_{10} x

有名な常用対数の値と,覚え方を紹介します。

常用対数の覚え方

常用対数については以下の3つを覚えれば十分です。

  • log1020.3010\log_{10} 2\fallingdotseq 0.3010
    これは「おっさん多い」というのが有名ですが,00 が多くて比較的覚えやすいので,自分はそのまま丸覚えしました。

  • log1030.4771\log_{10} 3\fallingdotseq 0.4771
    「死なない」で覚えましょう。

  • log1070.8451\log_{10} 7\fallingdotseq 0.8451
    「はよこい」で覚えましょう!

上記の3つを組み合わせることで log10n(n10)\log_{10} n (n\leq 10) が全て求まります!対数計算のよい練習問題になるので一度は手を動かしてやってみましょう。

log104=2log1020.6020\log_{10} 4=2\log_{10} 2\fallingdotseq 0.6020

log105=log1010log1020.6990\log_{10} 5=\log_{10} 10-\log_{10} 2\fallingdotseq 0.6990

log106=log102+log1030.7781\log_{10} 6=\log_{10} 2+\log_{10} 3\fallingdotseq 0.7781

log108=3log1020.9030\log_{10} 8=3\log_{10} 2\fallingdotseq 0.9030

log109=2log1030.9542\log_{10} 9=2\log_{10} 3\fallingdotseq 0.9542

もちろんこれらを知らなくても問題は解けますが,覚えておくと検算に便利です。

自然対数への変換

ここまでは,常用対数(底が10の対数)を扱いましたが,次は自然対数(底が ee の対数)との関係を考えます。この記事では,常用対数と自然対数が入り乱れるので対数の底を全て省略せずに表記します。

冒頭に述べた4つ目の公式は底の変換公式から導けます:

logex=log10xlog10e2.3log10x\log_e x=\dfrac{\log_{10} x}{\log_{10} e}\fallingdotseq 2.3\log_{10} x

「自然対数は常用対数を 2.32.3 倍すれば近似値が求まる」と覚えておきましょう。この公式とさきほどの常用対数の近似値から,自然対数の近似値を求めることができます!

loge22.30.30100.7\log_{e} 2\fallingdotseq 2.3\cdot 0.3010\fallingdotseq 0.7

  • 入試では,自然対数の近似値を知っていると検算の際に非常に役立ちます(詳細は後述)。
  • ならば自然対数を直接覚えればよいじゃないか,思うかもしれません。しかし,自然対数よりも常用対数の方が語呂で覚えやすいのと覚える数が少なくてすむので常用対数を覚えて 2.32.3 倍するのがオススメです。

検算への応用

自然対数の近似値は,多くの問題の検算に使えます。特に,定積分で面積を求める問題で威力を発揮することが多いです。

簡単な例

y=1xy=\dfrac{1}{x}x=2,x=3x=2, x=3 で囲まれた部分の面積を求めよ。

解答

まず大雑把に答えを予想すると,面積は 13\dfrac{1}{3} から 12\dfrac{1}{2} の間。

定積分を計算すると,231xdx=loge3loge2\displaystyle\int_2^3\dfrac{1}{x}dx=\log_{e} 3-\log_{e} 2

この近似値を上記の方法で求めると,2.3(0.47710.3010)0.42.3(0.4771-0.3010)\fallingdotseq 0.4

となり,答えの予想と一致する。これで自信を持って次の問題に進める。

定積分は最も計算ミスをしやすい分野の1つなので,必ず検算をするべきです。

→高校数学の問題集 ~最短で得点力を上げるために~でも検算のコツをたくさん紹介しています。

複雑な求積の問題では必ず面積を概算して,出てきた答えの近似値が概算と矛盾しないか確認しましょう,たいていはこの方法で計算ミスに気づけます。

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