最終更新:2019/04/14

常用対数を用いた桁数と最高位の数の計算

分野: 指数・対数関数  レベル: 入試対策

この記事では,常用対数の意味と応用例を紹介します。常用対数を使えば「$2^{30}$ の桁数を計算せよ」といった問題を解くこともできます。

常用対数とは

常用対数とは,10 を底とする対数 $\log_{10}N$ のことです。例えば,
$\log_{10}100=2$
$\log_{10}1000=3$
$\log_{10}10000=4$
のように,常用対数 $\log_{10}X$ は $10$ を何乗したら $X$ になるか?を表す数とも言えます。

常用対数を使って桁数を求める

常用対数を用いることで,大きな数の桁数を計算できます。

$N$ が $n$ 桁の数
$\iff 10^{n-1} \leq N < 10^n$
$\iff n-1\leq \log_{10}N < n$

二行目は左側は等号つき不等号,右側は等号なし不等号です。二行目の各辺の常用対数を取ると三行目になります。

例題

$N=2^{30}$ の桁数を求めよ。ただし,$\log_{10}2=0.3010$ として計算せよ。

解答

$N$ の常用対数を取ると,
$\log_{10}2^{30}=30\log_{10}2=9.030$
よって,$9\leq \log_{10} 2^{30}< 10$ なので桁数の求め方の公式より $2^{30}$ は $10$ 桁の数である。

余談(別解)

本筋からそれるが,$2^{30}$ くらいなら自力で計算できる。 $2^{10}=1024$ は多くの人が覚えているだろう。よって $1000^{3} < 2^{30} < 2000^{3}$ となる。 $1000^3$ と $2000^3$ は $10$ 桁の数なので $2^{30}$ も $10$ 桁の数。

注:$2^{10}=1024$ はぜひ覚えておきましょう。特に情報系の人が喜ぶキリのいい数字です。

常用対数を使って最高位の数を求める

次はもう少し難しい常用対数の応用方法です。常用対数を使って最高位の数を計算することができます。最高位の数とは,一番左側の数字です。例えば,$34567$ の最高位の数は $3$ です。

$N$ が $n$ 桁の数で最高位の数が $a$
$\iff a\cdot 10^{n-1} \leq N < (a+1)\cdot 10^{n-1}$
$\iff n-1+\log_{10}a\leq \log_{10}N < n-1+\log_{10}(a+1)$

$\log_{10}N$ の整数部分が $n-1$ です。つまり,小数部分を見れば最高位の数が分かるというわけです。

例題

$N=2^{30}$ の最高位の数を求めよ。ただし,$\log_{10}2=0.3010$ として計算せよ。

解答1

さきほど計算したように,$\log_{10}2^{30}=9.030$
小数部分 $0.03$ は $\log_{10}1=0$ より大きく $\log_{10}2=0.3010$ より小さい。
つまり,$9+\log_{10}1\leq \log_{10}2^{30} < 9+\log_{10}2$
よって $10^{9}\leq 2^{30} < 2\cdot 10^9$
つまり最高位の数は $1$ である。

解答2

これくらいの計算は突破できる気合いが欲しい。
$2^{30}=1024^3=1073741824$ なので最高位の数は $1$

気合いで計算するのが難しい例題

例題2

$6^{200}$ の桁数と最高位の数を求めよ。ただし,$\log_{10}2=0.3010$,$\log_{10}3=0.4771$ として計算せよ。

さすがに $200$ 乗ともなると気合いで計算するのは厳しいですね。

解答(桁数)

$\log_{10}6^{200}=200(\log_{10}2+\log_{10}3)=155.62$
よって,$155\leq \log_{10}6^{200}< 156$ より $10^{155}\leq 6^{200} < 10^{156}$
よって $6^{200}$ は $156$ 桁である。

解答(最高位の数)

$\log_{10}6^{200}$ の小数部分は $0.62$ である。
$\log_{10}4=2\log_{10}2=0.6020$
$\log_{10}5=1-\log_{10}2=0.6990$
より、 $155+\log_{10}4\leq \log_{10}6^{200}< 155+\log_{10}5$
よって,$4\cdot 10^{155}\leq 6^{200} <5\cdot 10^{155}$
つまり最高位の数は $4$ である。

注:ちなみに $6^{200}$ を実際に計算してみると,有効数字 $4$ 桁で $4.268\times 10^{155}$ となります。

小学生の頃,2のべき乗を休み時間の間ずっと($2^{50}$ くらいまで)計算して遊んだのを思い出します。