一次分数関数のグラフと漸近線

この記事では,y=ax+bcx+dy=\dfrac{ax+b}{cx+d} という一次分数関数について説明します。分数関数の基本形とグラフの描き方を説明します。

一次分数関数の基本形

  • y=ax+bcx+dy=\dfrac{ax+b}{cx+d} という式は,yA=CxBy-A=\dfrac{C}{x-B} という形に変形できます。これを一次分数関数の基本形と言います。

  • 具体的には,分子 ax+bax+b を分母 cx+dcx+d で割ると基本形にできます。

例題1

y=2x+3x+1y=\dfrac{2x+3}{x+1} を基本形に変形せよ。

解答

2x+32x+3x+1x+1 で割ると,2x+3=2(x+1)+12x+3=2(x+1)+1 となるので,与えられた式は

y=2(x+1)+1x+1=2+1x+1 y=\dfrac{2(x+1)+1}{x+1} = 2+\dfrac{1}{x+1} と変形できる。つまり基本形は y2=1x+1y-2=\dfrac{1}{x+1} となる。

補足: 一次に限らず,分数関数(有理式)は,分子を分母で割って「分母の次数 > 分子の次数」にするのが鉄則です。「分母の次数 > 分子の次数」であるものをプロパーな有理式といいます。

一次分数関数のグラフ

一次分数関数のグラフは,基本形にしてしまえば簡単に描けます。

一次分数関数のグラフの描き方
  1. まず,基本形になおす。
  2. yA=CxBy-A=\dfrac{C}{x-B} のグラフは,y=Cxy=\dfrac{C}{x} のグラフを xx 軸方向に BByy 軸方向に AA だけ平行移動させたものである(※)。よって,(B,A)(B,A) を原点と見て反比例のグラフ:y=Cxy=\dfrac{C}{x} を描けばOK

※がわからない方は グラフの平行移動(具体例と公式の証明)をどうぞ。

例題2

y=2x+3x+1y=\dfrac{2x+3}{x+1} のグラフをかけ。

解答
  1. 基本形は例題1の結果より y2=1x+1y-2=\dfrac{1}{x+1}

  2. よって,(1,2)(-1,2) を中心として y=1xy=\dfrac{1}{x} のグラフをかけばよい。 分数関数のグラフ

具体的に注意することとしては,

  • まずは x=1,y=2x=-1,y=2 を点線でかく(漸近線)。
  • xx 軸との交点 (32,0)\left( -\dfrac{3}{2} , 0 \right)yy 軸との交点 (0,3)(0,3) を通るように反比例のグラフをかく。

一次分数関数のグラフの漸近線

漸近線とはグラフが近づいていく直線(または曲線)のことです。厳密には極限を用いて定義されますが,一次分数関数に関しては漸近線は極限の議論をしなくても分かります。さきほど描いたグラフを見れば明らかでしょう。

一次分数関数 yA=CxBy-A=\dfrac{C}{x-B} の漸近線は,x=Bx=B および y=Ay=A である。

練習問題

練習問題

y=3x42x+1y=\dfrac{-3{x}-4}{2x+1} のグラフの概形を描け。

解答
  1. まず基本形を求める。3x4-3{x}-42x+12x+1 で割ると,3x4=32(2x+1)52-3{x}-4=-\dfrac{3}{2}(2x+1)-\dfrac{5}{2} となるので, 基本形は,
    y+32=52(2x+1)y+\dfrac{3}{2}=-\dfrac{5}{2(2x+1)} つまり,
    y+32=54x+12y+\dfrac{3}{2}=\dfrac{-\frac{5}{4}}{x+\frac{1}{2}} となる。

  2. (12,32)\left( -\dfrac{1}{2},-\dfrac{3}{2} \right) を中心として y=54xy=-\dfrac{5}{4x} のグラフをかけばよい。 分数関数のグラフ2

具体的に注意することとしては,

  • まずは x=12,y=32x=-\dfrac{1}{2},y=-\dfrac{3}{2} を点線でかく(漸近線)。
  • xx 軸との交点 (0,43)\left( 0,-\dfrac{4}{3} \right)yy 軸との交点 (0,4)(0,-4) を通るように反比例のグラフをかく。

分数関数は以下の二つを意識しよう。

  • 分母も分子も一次なら簡単。グラフも簡単にかける,漸近線も分かる。
  • 二次以上だと微分が必要だが,とりあえず割り算して分母の次数>分子の次数にするべき。

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