2016/02/23

分母の有理化のいろいろな例題

分野: 式の計算  レベル: 入試対策

分母にルートや累乗根が入った式を有理化する方法,および例題を解説します。

なお,この記事では $a,b,c,d$ は有理数とします。

ルートが入った式の有理化(中学数学レベル)

例題

分母を有理化せよ。
(1) $\dfrac{1}{\sqrt{2}}$
(2) $\dfrac{3}{\sqrt{5}+\sqrt{2}}$
(3) $\dfrac{4}{1+\sqrt{2}+\sqrt{3}}$

解答

(1) 分母分子に $\sqrt{2}$ をかける:
$\dfrac{1}{\sqrt{2}}=\dfrac{1\times \sqrt{2}}{\sqrt{2}\times \sqrt{2}}=\dfrac{\sqrt{2}}{2}$

(2) 分母分子に $\sqrt{5}-\sqrt{2}$ をかける:
$\dfrac{3(\sqrt{5}-\sqrt{2})}{(\sqrt{5}+\sqrt{2})(\sqrt{5}-\sqrt{2})}=\dfrac{3(\sqrt{5}-\sqrt{2})}{3}=\sqrt{5}-\sqrt{2}$

(3) 分母分子に $1+\sqrt{2}-\sqrt{3}$ をかけて計算すると,$2+\sqrt{2}-\sqrt{6}$ →分母に項が3つある場合の有理化の例1

補足

一般に,分母が $\sqrt{a}\pm\sqrt{b}$ という形の場合,分母分子に $\sqrt{a}\mp\sqrt{b}$ をかけることで有理化できます。

累乗根が入った式の有理化(高校数学レベル)

例題

分母を有理化せよ。
(4) $\dfrac{1}{\sqrt[3]{2}+1}$
(5) $\dfrac{1}{\sqrt[3]{7}-\sqrt[3]{2}}$

解答

(4) 分母分子に $(\sqrt[3]{2})^2-\sqrt[3]{2}+1$ をかけると,
$\dfrac{(\sqrt[3]{2})^2-\sqrt[3]{2}+1}{2+1}=\dfrac{1}{3}\{(\sqrt[3]{2})^2-\sqrt[3]{2}+1\}$
となる。

(5) 分母分子に $(\sqrt[3]{7})^2+\sqrt[3]{7}\cdot\sqrt[3]{2}+(\sqrt[3]{2})^2$ をかけると,
$\dfrac{1}{5}\{(\sqrt[3]{7})^2+\sqrt[3]{7}\cdot\sqrt[3]{2}+(\sqrt[3]{2})^2\}$ となる。

補足

分母が $\sqrt[3]{a}\pm\sqrt[3]{b}$ という形の場合,分母分子に $(\sqrt[3]{a})^2\mp\sqrt[3]{ab}+(\sqrt[3]{b})^2$ をかけることで有理化できます。
より一般に,$n$ 乗根が入った式の有理化には,因数分解公式(n乗の差、和)を使います。

おまけ

例題

分母を有理化せよ。
(6) $\dfrac{1}{1+\sqrt{2}+\sqrt{3}+\sqrt{5}}$

方針1

分母分子に $(1+\sqrt{2})-(\sqrt{3}+\sqrt{5})$ をかけて頑張る。

方針2

分母分子に $1+\sqrt{2}+\sqrt{3}-\sqrt{5}$ かけて,$\sqrt{5}$ を消す。
次に,分母を $a+b\sqrt{2}+\sqrt{3}(c+d\sqrt{2})$ という形に変形した上で,分母分子に $a+b\sqrt{2}-\sqrt{3}(c+d\sqrt{2})$ をかけて $\sqrt{3}$ を消す。最後に $\sqrt{2}$ を消す。

答えは,
$\dfrac{1}{71}(93-61\sqrt{2}-55\sqrt{3}+53\sqrt{5}\\+46\sqrt{6}-34\sqrt{10}-26\sqrt{15}+14\sqrt{30})$
(きたなっ!)

方針1の方が楽ですが,方針2は分母の項数がもっと増えても使えます。

一応 $\dfrac{1}{\sqrt{2}+\sqrt{3}+\sqrt{5}+\sqrt{7}+\sqrt{11}}$ なども有理化できます。
分野: 式の計算  レベル: 入試対策