2014/07/08

分母に項が3つある場合の有理化

分野: 式の計算  レベル: 入試対策

$\dfrac{1}{\sqrt{a}+\sqrt{b}\pm\sqrt{c}}$ の分母を有理化したいときは分母分子に $\sqrt{a}+\sqrt{b}\mp\sqrt{c}$ をかけていつもの分母の有理化に帰着させる

分母の有理化(3項)

通常分母を有理化する必要があるのは,分母が $\sqrt{a}$ や $a+b\sqrt{p}$ など項の数が1つか2つであることが多いです。その場合は簡単に有理化することができます。→分母の有理化や実数化を行う理由

しかし,分母が3項の場合の有理化も頻出なのでやり方を覚えておきましょう。

例1

$\dfrac{4}{1+\sqrt{2}+\sqrt{3}}$ を有理化せよ

解答

分母分子に $1+\sqrt{2}-\sqrt{3}$ をかけると,
$\dfrac{4+4\sqrt{2}-4\sqrt{3}}{(1+\sqrt{2}+\sqrt{3})(1+\sqrt{2}-\sqrt{3})}\\
=\dfrac{4+4\sqrt{2}-4\sqrt{3}}{(1+\sqrt{2})^2-3}\\
=\dfrac{4+4\sqrt{2}-4\sqrt{3}}{2\sqrt{2}}\\
=\sqrt{2}+2-\sqrt{6}$

例2

$\dfrac{1}{\sqrt{5}-\sqrt{3}-\sqrt{2}}$ を有理化せよ

解答

まずは分母にプラスの項が2つ以上ある状態に変形する(分母分子を$-1$ 倍):
$\dfrac{-1}{\sqrt{2}+\sqrt{3}-\sqrt{5}}$
次に分母分子に $\sqrt{2}+\sqrt{3}+\sqrt{5}$ をかける:
$\dfrac{-\sqrt{2}-\sqrt{3}-\sqrt{5}}{(\sqrt{2}+\sqrt{3}-\sqrt{5})(\sqrt{2}+\sqrt{3}+\sqrt{5})}\\
=\dfrac{-\sqrt{2}-\sqrt{3}-\sqrt{5}}{2\sqrt{6}}\\
=-\dfrac{1}{12}(2\sqrt{3}+3\sqrt{2}+\sqrt{30})$

有理化の際の注意

  • 例1では分母分子に $1-\sqrt{2}+\sqrt{3}$ や$-1+\sqrt{2}+\sqrt{3}$ をかけても有理化できますが,解答のやり方が一番計算が楽です。一般に,分母が $\sqrt{a}+\sqrt{b}+\sqrt{c}$ で $a+b=c$ なるときは $\sqrt{a}+\sqrt{b}-\sqrt{c}$ をかけるのが楽です。
  • 例2にあるように分母の3項のうち2つ以上がマイナス符号のときは分母分子を$-1$ 倍した方が見やすくなります。(マイナスを分子におしつける)
  • 計算ミスをしやすい問題なので必ず検算しましょう。
    自分の計算を見直すのもよいですが,「答え×もとの分母=もとの分子」になっていることを確認すれば確実です!
    例1の検算:$(\sqrt{2}+2+\sqrt{6})(1+\sqrt{2}+\sqrt{3})=4$ を確認。
    例2の検算:$(2\sqrt{3}+3\sqrt{2}+\sqrt{30})(\sqrt{5}-\sqrt{3}-\sqrt{2})=-12$ を確認。
3項の有理化の場合検算は必須です
分野: 式の計算  レベル: 入試対策