2014/03/27

四倍角の公式の証明と考察

分野: 三角比・三角関数  レベル: 入試対策

四倍角の公式は加法定理から導ける,オイラーの公式(ド・モアブルの定理)からも導ける。

四倍角の公式

$\sin nx, \cos nx$ をそれぞれ $\sin x, \cos x$ の式で表したものを $n$ 倍角の公式と言います。2倍角,3倍角の公式については高校の教科書に載っています。(→三倍角の公式と変形三倍角の公式

このページでは四倍角の公式について考えてみます。

四倍角の公式:
$\sin 4x=\cos x(4\sin x-8\sin^3 x)\\
\cos 4x=8\cos^4 x-8\cos^2 x+1$

二倍角の公式,三倍角の公式の形から,$\sin nx$ は $\sin x$ の多項式で表され,$\cos nx$ は $\cos x$ の多項式で表せそうな気がしますが,四倍角の公式から分かるように $\sin$ の方の公式に $\cos x$ が含まれておりどうあがいても消すことができません。

実は,$\cos nx$ の場合はうまくいきます。 $\cos$ の $n$ 倍角の公式をもとにチェビシェフ多項式というものが定義されます。→チェビシェフ多項式

加法定理を用いた四倍角の公式の証明

それでは本題,四倍角の公式の証明に入っていきます。三倍角の公式を導いたときと同じ方法で証明できると考えるのが普通ですね。最も定番の証明方法です。

証明

$\sin 4x=\sin(2x+2x)\\
=2\sin 2x\cos 2x\\
=4\sin x\cos x(1-2\sin^2 x)\\
=\cos x(4\sin x-8\sin^3 x)\\
\\
\cos 4x=\cos (2x+2x)\\
=2\cos^2 2{x}-1\\
=2(2\cos^2 x-1)^2-1\\
=8\cos^4 x-8\cos^2 x+1$

オイラーの公式を用いた四倍角の公式の証明

複素指数関数を用いればスマートに証明することができます。(→複素指数関数とオイラーの公式
複素指数関数の指数法則は加法定理と対応しているので,本質的には加法定理を使うことになるのですが,より記述が美しく簡略化されます。

証明

オイラーの公式より,$e^{ix}=\cos x+i\sin x$, $e^{4ix}=\cos 4x+i\sin 4x$
また,複素指数関数の指数法則より,$e^{4ix}=(e^{ix})^4$ なので,
$\cos 4x+i\sin 4x=(\cos x+i\sin x)^4$
右辺を頑張って展開する:
(右辺)
$=(\cos^4 x-6\cos^2 x\sin^2 x+\sin^4 x)+i(4\cos^3x\sin x-4\sin^3x\cos x)\\
=8\cos^4 x-8\cos^2 x+1+i(\cos x(4\sin x-8\sin^3 x))$
実部どうし,虚部どうしを比較することで四倍角の公式を得る。

機械的に計算できますが,こちらの証明方法の方が少し計算量が多い気がします。

ちなみに,証明は $n$ 倍角の場合に一般化することができ,その途中で得られる式:
$\cos nx+i\sin nx=(\cos x+i\sin x)^n$ をド・モアブルの定理と呼びます。

→ドモアブルの定理の意味と証明

ド・モアブルの定理から $n$ 倍角の公式は全て機械的に導くことができますが,$n$ 乗を展開するのがめんどくさく,一般形を簡単な式で表すことはできません。

まあ実用上は四倍角の公式を使う場面はない(少なくとも僕は使ったことがありません)ので三倍角の公式まで覚えておけば充分でしょう。

コサインは持っていてサインは持っていない性質があるってなんか残念ですね。

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