2015/04/03

四次関数の二重接線を素早く求める方法

分野: いろんな関数  レベル: 最難関大学

多くの四次関数には二重接線が存在する。二重接線は平方完成を用いて簡単に求めることができる。

二重接線とは,とある曲線に相異なる2つの点で接するような直線のことです。複接線と呼ばれることもあります。

例題

この記事では以下の例題を通じて「普通の解法」と「平方完成を用いて素早く求める解法」を解説します。

例題

四次関数 $y=x^4-2x^3+1$ の二重接線の方程式を求めよ。

四次関数のグラフと増減表

解答の前に,この四次関数のグラフの概形を書いておきます。細かいグラフの書き方は四次関数のグラフの概形と例題2問を参照して下さい。

図のグラフの形から,傾きが負の二重接線が一本引けそうだと分かります。

小技の威力に感動していただくためにも,ぜひこの問題を自力で解いてみてください,けっこう時間がかかってしまう人が多いと思います。

普通の解法

四次関数の二重接線を求める方法はいくつもあります。その中でも重解を用いる有名で比較的楽な方法を解説します。

多項式で表される曲線 $y=f(x)$ と $y=g(x)$ が $x=\alpha$ で接する
$\iff f(x)-g(x)$ が $x=\alpha$ を重解に持つ。

という定理は前提知識として認めます。

考え方は難しくありませんが計算に工夫が必要です。

解答

題意の四次関数と $y=Ax+B$ が $x=\alpha,\:\beta$ で接するとき,
$x^4-2x^3+1-Ax-B=(x-\alpha)^2(x-\beta)^2$
となる。あとはこれを展開して係数比較して $A,B$ を求めればよい。

上式の右辺は
$x^4-2(\alpha+\beta)x^3+(\alpha^2+4\alpha\beta+\beta^2)x^2-2\alpha\beta(\alpha+\beta)x+\alpha^2\beta^2$
となる。まず,$x^3$ と $x^2$ の係数を比較すると,
$-2=-2(\alpha+\beta)$
$0=\alpha^2+4\alpha\beta+\beta^2$
以上二つの式より $\alpha+\beta=1,\:\alpha\beta=-\dfrac{1}{2}$ となる。(ここで $\alpha$ と $\beta$ を求めにいく必要はない)

二重接線の方程式

次に,$x$ の項と定数項を比較すると,
$-A=-2\alpha\beta(\alpha+\beta)\\=-2\cdot (-\dfrac{1}{2})\cdot 1=1$
$1-B=\alpha^2\beta^2=\dfrac{1}{4}$

以上より求める二重接線の方程式は $y=-x+\dfrac{3}{4}$

グラフと照らしあわせても納得の答えですね。計算をけっこう工夫しましたが,それでもこれくらいの計算量にはなってしまいます。

平方完成を用いて素早く求める解法

平方完成を用いるともっと楽に計算できます!

別解

$x^4-2x^3+1$ を(二次式の二乗+1次関数)となるように変形する(→平方完成のやり方といくつかの発展形の例題6)と,
$(x^2-x-\dfrac{1}{2})^2-x+\dfrac{3}{4}$

ここで,$x^2-x-\dfrac{1}{2}$ の判別式は正であり相異なる実数解を二つもつのでそれを $\alpha,\beta$ とおくと,
$x^4-2x^3+1-(-x+\dfrac{3}{4})=(x-\alpha)^2(x-\beta)^2$
となる。よって求める二重接線の方程式は $y=-x+\dfrac{3}{4}$

実はこの小技,昨日友人に教えてもらいました。けっこう感動しました!
分野: いろんな関数  レベル: 最難関大学