2015/06/04

垂直な直線の方程式の求め方と応用

分野: 座標,ベクトル  レベル: 基本公式

  • 垂直条件1(傾きの積が−1)
  • 垂直条件2(一般形)
  • 通る一点が指定されるときについて
  • 応用例:楕円の法線の方程式の導出

の順に解説します!

傾きを用いた直線の垂直条件

二直線:$y=m_1x+n_1$ と $y=m_2x+n_2$ が直交する $\iff m_1m_2=-1$

「傾きの積が−1 $\iff$ 垂直」という,中学数学からお馴染みの公式です。一応証明しておきます。

証明

$y=m_1x+n_1$ と $y=m_2x+n_2$ が垂直
$\iff y=m_1x$ と $y=m_2x$ が垂直(直線の平行移動)
$\iff$ 三点$(0,0),(1,m_1),(1,m_2)$ が($\angle O$ が直角である)直角三角形をなす
$\iff (1^2+m_1^2)+(1^2+m_2^2)=(m_1-m_2)^2$
$\iff m_1m_2=-1$

注:三平方の定理を使いましたが,三角形の相似を使っても証明できます。

一般形の直線の垂直条件

二直線:$a_1x+b_1y+c_1=0$ と $a_2x+b_2y+c_2=0$ が直交する $\iff a_1a_2+b_1b_2=0$

$ax+by+c=0$ の法線ベクトルが$(a,b)$ であることを使えばスマートに証明できます。(法線ベクトルについては直線の方程式の一般形参照)

証明

二直線が直交する
$\iff$ 二本の法線が直交する
$\iff$ 二本の法線ベクトルの内積が $0$
$\iff$ $a_1a_2+b_1b_2=0$

注:場合分け&傾きの条件に帰着させて証明することもできますが,法線ベクトルの考え方は重要なので上の証明を理解してください。

通る一点が指定される場合

上の公式を応用することで,以下の便利な公式が得られます。

便利な公式:$ax+by+c=0$ に垂直で,$(x_0,y_0)$ を通る直線の方程式は,$b(x-x_0)-a(y-y_0)=0$

$ax+by+c=0$ に垂直なこと,$(x_0,y_0)$ を通ること,いずれも簡単に分かります。

例題

$x-2y+3=0$ に垂直で$(2,1)$ を通る直線の方程式を求めよ。

解答

公式より$-2(x-2)-(y-1)=0$ つまり,$2x+y-5=0$

二次曲線の法線の方程式

さらに,上の便利な公式を応用することで二次曲線の法線の方程式を求めることができます。ここでは楕円の場合を考えてみます(双曲線,放物線も同様)。

楕円:$\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1$ 上の点 $A(x_0,y_0)$ における法線の方程式は, $\dfrac{y_0}{b^2}(x-x_0)-\dfrac{x_0}{a^2}(y-y_0)=0$

証明

$A$ における楕円の接線の方程式は,$\dfrac{x_0}{a^2}x+\dfrac{y_0}{b^2}y=1$(これは有名な公式→楕円の接線を求める公式とその証明)である。

求める法線は,この接線に垂直で$(x_0,y_0)$ を通るので,先述の便利な公式より $\dfrac{y_0}{b^2}(x-x_0)-\dfrac{x_0}{a^2}(y-y_0)=0$

楕円の法線の応用例として,楕円の反射定理とその証明もどうぞ。

楕円も双曲線も数学的な性質は似ていますが,僕は楕円の方が好きです。

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