2015/06/17

単位ベクトルの求め方といろいろな具体例

分野: 座標,ベクトル  レベル: 基本公式

長さが1のベクトルを単位ベクトルと言う。
ベクトル $\overrightarrow{a}$ と同じ向きの単位ベクトルは $\dfrac{\overrightarrow{a}}{|\overrightarrow{a}|}$ で求まる。

単位ベクトルの求め方

$\dfrac{\overrightarrow{a}}{|\overrightarrow{a}|}$ の分母はスカラー,分子はベクトルであることに注意して下さい。

(冒頭の公式の説明)
$\dfrac{\overrightarrow{a}}{|\overrightarrow{a}|}$ というベクトルは,

  • $\overrightarrow{a}$ の定数倍なので,$\overrightarrow{a}$ と同じ向き。
  • $\left|\dfrac{\overrightarrow{a}}{|\overrightarrow{a}|}\right|=1$ より大きさが1,つまり単位ベクトル。

今持っているベクトルをその長さで割れば同じ方向の単位ベクトルが得られるという訳ですね。この操作を「正規化」と言います。

具体的な計算例

例題1(平面ベクトル):$\overrightarrow{a}=(3,4)$ と同じ向きの単位ベクトルを求めよ。

解答

$|\overrightarrow{a}|=\sqrt{3^2+4^2}=5$ より,求める単位ベクトルは $\dfrac{\overrightarrow{a}}{|\overrightarrow{a}|}=(\dfrac{3}{5},\dfrac{4}{5})$


例題2(空間ベクトル):$\overrightarrow{a}=(2,-1,3)$ と同じ向きの単位ベクトルを求めよ。

解答

$|\overrightarrow{a}|=\sqrt{2^2+(-1)^2+3^2}=\sqrt{14}$ より,求める単位ベクトルは $\dfrac{\overrightarrow{a}}{|\overrightarrow{a}|}=(\dfrac{2}{\sqrt{14}},-\dfrac{1}{\sqrt{14}},\dfrac{3}{\sqrt{14}})$


例題3($n$ 次元ベクトル,高校範囲外):各成分が $1$ である $n$ 次元ベクトル $\overrightarrow{a}=(1,1,\cdots,1)$ と同じ向きの単位ベクトルを求めよ。

解答

$|\overrightarrow{a}|=\sqrt{n}$ より,求める単位ベクトルは $\dfrac{\overrightarrow{a}}{|\overrightarrow{a}|}=\dfrac{1}{\sqrt{n}}(1,1,\cdots,1)$

余談:$(1,1,\cdots,1)$ はいろいろなとこに登場する重要なベクトルです。

単位ベクトルと内積

ついでに単位ベクトルについて覚えておくべきこととして,内積との関係を載せておきます。

単位ベクトル $\overrightarrow{e}$ と他のベクトル $\overrightarrow{a}$ について,内積 $\overrightarrow{a}\cdot\overrightarrow{e}$ は $\overrightarrow{a}$ の $\overrightarrow{e}$ 方向の成分を表す。

なす角を $\theta$ とすると $\overrightarrow{a}\cdot\overrightarrow{e}=|\overrightarrow{a}||\overrightarrow{e}|\cos\theta=|\overrightarrow{a}|\cos\theta$ だからです。

ベクトルを学びたての頃は単位ベクトルを求めて何が嬉しいんだって感じがしますが,正規化は数学や物理のあらゆる場面で登場します!
分野: 座標,ベクトル  レベル: 基本公式