2014/04/15

直線の方程式の一般形が嬉しい3つの理由

分野: 座標,ベクトル  レベル: 入試対策

平面における直線の方程式は
1:$y=mx+n$
が基本だが,
2:$ax+by+c=0$
も覚えておくと嬉しいことが3つある。


公式1と公式2はほぼ同じ意味なのになぜ2つも公式が必要なのか疑問に思ったことはありませんか?僕は高校生のとき公式1だけでよいじゃんと思った記憶があります。

公式1においては「 $m$ が傾きで $n$ が切片」という重要な意味があり,イメージしやすいのでその点では公式1が優れています。しかし,公式2のメリットも理解しておくと違った視点で直線の方程式を観ることができるようになります。

このページでは公式2の成り立ちと公式2がなぜ嬉しいのかを説明します。

目次:
「全ての直線を統一的に扱えるので嬉しい」
「法線ベクトルによるイメージを提供してくれるので嬉しい」
「高次元に拡張できるので嬉しい」

$ax+by+c=0$ だと場合分けが必要ない

公式1では傾きが無限大の直線,つまり $y$ 軸に平行な直線 $x=p$ をカバーすることができません。しかし,公式2では $x$ 軸に平行な直線も $y$ 軸に平行な直線もカバーすることができます。

「全ての直線を統一的に扱えるので $ax+by+c=0$ は嬉しい」

法線ベクトルというイメージがついてくる

直線の方程式

$(x_0,y_0)$ を通り $a, b$ と垂直な直線の方程式は,

ベクトル$(a, b)$ と$(x-x_0,y-y_0)$ が垂直⇔ $a(x-x_0)+b(y-y_0)=0$

より,$ax+by=$定数という形になっています。

つまり,$(a,b)$ は直線 $ax+by+c=0$ の法線ベクトル(直線に垂直なベクトル)になっています。このイメージが非常に重要で,しょうもないミスを減らしてくれるある種の検算テクニックになっています。

直線の方程式 $2x+3y+1=0$ を作図するときに,$y$ について解いて作図してもよいですが,$(1,-1)$ を通ってベクトル$(2,3)$ と垂直な直線と考えて作図することもできます。

直線の作図くらいではあまり威力を発揮しませんが,直線の方程式が絡んだより複雑な問題では「傾きと切片のイメージ」と「法線ベクトルのイメージ」両方使えたほうが見通しがよくなります。

「法線ベクトルによるイメージを提供してくれるので嬉しい」

3次元に拡張することができる

$y=mx+n$ は $x$ と $y$ に関して対称でないので3次元に拡張することができませんが,$ax+by+c=0$ は $x$ と $y$ に関して対称なので3次元に拡張することができます。

上記の法線ベクトルの考え方を用いると,3次元空間座標における平面の方程式が導かれます:

空間座標においてベクトル$(a,b,c)$ に垂直な平面の方程式は適当な定数 $d$ を用いて,
$ax+by+cz=d$ と表すことができる。

定数 $d$ は平面が通る一点を代入することで決まります。

平面の方程式の公式は昔は高校範囲でしたが,最近は教科書に載っていないようです。しかし,空間座標の問題を解く際にしばしば役立つので覚えておくとよいと思います。

ちなみに,大学の線形代数では公式2がより一般化されます。

$n$ 次元空間においてベクトル$(a_1, a_2,\cdots,a_n)$ に垂直な $n-1$ 次元超平面の方程式は適当な定数 $c$ を用いて
$\displaystyle\sum_{k=1}^na_kx_k=c$ と表すことができる。

「高次元に拡張できるので嬉しい」

同じものを2通りで表したときに両方のメリットデメリットを考えるといろいろ観えてきます。

Tag: 数学2の教科書に載っている公式の解説一覧

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