2014/10/23

二次方程式における解と係数の関係

分野: 方程式,恒等式  レベル: 基本公式

二次方程式 $ax^2+bx+c=0$ の解を $\alpha,\:\beta$ とおくと,
$\alpha+\beta=-\dfrac{b}{a},\:\alpha\beta=\dfrac{c}{a}$

教科書レベルの公式ですが,非常に重要な公式なので証明と使い方を整理しておきます。とりあえず二次方程式の場合。

解と係数の関係の証明1

二次方程式の解の公式を使って計算することで証明することができます。

証明

二次方程式の解の公式より,$\alpha=\dfrac{-b+\sqrt{b^2-4ac}}{2a},\:\beta=\dfrac{-b-\sqrt{b^2-4ac}}{2a}$
とおくことができるので,
$\alpha+\beta=\dfrac{-b-b}{2a}=-\dfrac{b}{a}$
$\alpha\beta=\dfrac{b^2-(b^2-4ac)}{4a^2}=\dfrac{c}{a}$
を得る。

解の公式で得られる解は汚いのに和や積はきれいというのが素晴らしいです。

分かりやすい証明方法ですが,三次方程式に拡張するのはかなり厳しいです。というのも,三次方程式には解の公式→カルダノの公式と例題がありますが,非常に複雑だからです。

そして五次以上の方程式では,解の公式は存在しませんが解と係数の関係は存在します。つまり,こちらの方法では一般の高次方程式の場合の解と係数の関係は証明できないのです。

解と係数の関係の証明2

因数定理を使うことでスッキリと証明できます。こちらの方法を覚えてください!

証明

二次方程式 $ax^2+bx+c=0$ が $x=\alpha,\:\beta$ を解に持つとき,因数定理より定数 $A$ を用いて
$A(x-\alpha)(x-\beta)$ とかける。
これを展開して係数を比較すると,
$a=A,\:b=-A(\alpha+\beta),\:c=A\alpha\beta$
よって,二つ目と三つ目の式から,解と係数の関係
$\alpha+\beta=-\dfrac{b}{a},\:\alpha\beta=\dfrac{c}{a}$ を得る。

解と係数の関係の証明は「因数定理+係数比較」と覚えておきましょう。こちらの方法なら一般の高次方程式に拡張することができます。

解と係数の関係の使い方1

「方程式→対称式」:方程式が与えられたら,その方程式の解 $\alpha,\:\beta$ に関する対称式の値を計算することができる。

例題

$x^2-2x+5=0$ の解を $\alpha,\:\beta$ とおくとき,$\alpha^3+\beta^3$ を求めよ。

解答

解と係数の関係より,$\alpha+\beta=2,\:\alpha\beta=5$
となり,基本対称式の値が求まった。よって,あとは目標の対称式 $\alpha^3+\beta^3$ を基本対称式で表せばよいので,
$\alpha^3+\beta^3=(\alpha+\beta)^3-3\alpha\beta(\alpha+\beta)=2^3-3\cdot 2\cdot 5=-22$ となる。

いろいろな対称式を基本対称式で表す方法はマスターしておきましょう。→対称式について覚えておくべき7つの公式

解と係数の関係の使い方2

「対称式→方程式」:対称式の値が $2$ 個指定された $2$ 個の変数を解に持つような $2$ 次方程式を構成できる。

例題

連立方程式 $u+v=3,\:u^2+v^2=7$ を解け。

解答

解と係数の関係を使うためにまずは基本対称式の値を求める。 $u+v$ は与えられているので $uv$ を求めに行く。
$u^2+v^2=(u+v)^2-2uv$ より,$uv=\dfrac{3^2-7}{2}=1$
よって,解と係数の関係より $u,\:v$ は以下の二次方程式の解となる:
$x^2-3x+1=0$
これを解くと,
$x=\dfrac{3\pm\sqrt{5}}{2}$ となるので求める解は,
$u=\dfrac{3+\sqrt{5}}{2},\:v=\dfrac{3-\sqrt{5}}{2}$ および $u$ と $v$ の値を交換したもの。

・「方程式→対称式」は比較的思いつきやすい方法ですが,「対称式→方程式」は実践で見落としがちです。対称式を見たら解と係数の関係を連想するようにしましょう。

・これらは二つの使い方は一般の $n$ 次方程式でも使える重要な手法です。数学オリンピックではしばしば高次方程式の解と係数の関係,高次の対称式に関する問題が出題されます。

「解と係数の関係」は英語でVieta’s formulaといいます。

Tag: 数学2の教科書に載っている公式の解説一覧

分野: 方程式,恒等式  レベル: 基本公式