2015/08/11

双子素数にまつわるいくつかの話題

分野: 整数問題  レベル: マニアック

$p$,$p+2$ がいずれも素数であるときそれらを双子素数と言う。

$(3,5)$,$(5,7)$,$(11,13)$ などが双子素数です。

双子素数は無限にあるか

双子素数が無限個あるか,有限個しかないのかは未解決問題です。

つまり,$n$ 番目の素数を $p_n$ と書くと,
主張1:$p_{n+1}-p_{n}=2$ となる $n$ が無限個ある
が正しいかどうかは未解決というわけです。

ところが,上の予想を弱めた以下の主張2は正しいことが証明されています!
主張2:$p_{n+1}-p_{n}\leq 600$ となる $n$ が無限個ある

主張1が正しい→主張2が正しい,は成立しますが逆はダメです。
なお,主張2は以下のように表現することもできます:
$\displaystyle\liminf_{n\to\infty}(p_{n+1}-p_n) < 600$
(任意の整数 $N$ に対してある $n > N$ が存在して,$p_{n+1}-p_{n}$ は $600$ 以下となる)

ちなみに,この $600$ というギャップは現在 $246$ まで縮められているようです(→Bounded gaps between primes)。

双子素数の逆数和

以下の主張3が成立することも証明されています。
主張3:双子素数の逆数和は収束する

つまり,$\left(\dfrac{1}{3}+\dfrac{1}{5}\right)+\left(\dfrac{1}{5}+\dfrac{1}{7}\right)+\left(\dfrac{1}{11}+\dfrac{1}{13}\right)+\cdots$ が収束するというわけです。この収束先の値はブルン定数と呼ばれます(だいたい $1.9$ くらい)。

素数の逆数和は発散する(→素数の逆数和が発散することの証明)ことと合わせると双子素数は素数よりずっと少ないと言うことができます。

ちなみに,もし主張3が嘘だったら(双子素数の逆数和が発散するなら)双子素数が無限にあることが分かるので主張1が正しいことも分かりバンザイでした。しかし,双子素数の逆数和が収束したからといって,双子素数が有限個しかないとは限りません(無限個の和が収束することもある)。

三つ子素数

双子素数と同様に三つ子素数も定義したくなりますが
「 $p,p+2,p+4$ がいずれも素数である」という状況は $p=3$ の場合のみです($p,p+2,p+4$ を $3$ で割った余りは異なるのでどれか一つが $3$ の倍数になる,$3$ の倍数で素数なのは $3$ だけ)。

そこで,$(p,p+2,p+6)$ 型か$(p,p+4,p+6)$ 型の素数の組を三つ子素数と言います。例えば$(41,43,47),(67,71,73)$ などです。

さらに,$(p,p+2,p+6,p+8)$ 型を四つ子素数と言います。$(11,13,17,19)$ などです。

三つ子素数の定義は強引なのであまり好きじゃないです。

Tag: 素数にまつわる覚えておくべき性質まとめ

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