2015/05/19

等差数列の和の公式の例題と証明など

分野: 数列  レベル: 基本公式

初項が $a$,公差が $d$,項数が $n$ であるような等差数列の和は, $S=\dfrac{1}{2}n(2a+(n-1)d)$

等差数列の和の公式を使う例題,証明,考察の順に解説していきます。

例題

例題1

初項が $4$,公差が $3$,項数が $6$ であるような等差数列の和を求めよ。

解答

和の公式より,$S=\dfrac{6}{2}(8+5\cdot 3)=69$

別解

$6$ 項くらいなら公式を使わないで検算するべき。
$4+7+10+13+16+19=69$


例題2

$100$ 以下の偶数の和を求めよ。

解答

$2+4+6+\cdots +98+100$,
つまり初項が $2$,公差が $2$,項数が $50$ の等差数列の和より,
$S=\dfrac{50}{2}(4+49\cdot 2)=2550$

公式の証明

非常に有名な証明方法です。

証明

求めたい和の式をそのまま書く&逆順に書く:
$S=a+(a+d)+\cdots +\{a+(n-2)d\}+\{a+(n-1)d\}$
$S=\{a+(n-1)d\}+\{a+(n-2)d\}+\cdots +(a+d)+a$
縦に見て辺々加えると,$2a+(n-1)d$ がたくさん($n$ 個)出てくる:
$2S=2a+(n-1)d+2a+(n-1)d+\cdots +2a+(n-1)d\\
=n\{2a+(n-1)d\}\\$
よって,$S=\dfrac{1}{2}n(2a+(n-1)d)$

注:具体例でやると分かりやすいです。例えば,例題1でやってみると,
$S=4\:\:+7\:\:+10+13+16+19$
$S=19+16+13+10+7\:\:+4$
これらを辺々加えると,
$2S=23+23+23+23+23+23$ より $S=\dfrac{6\cdot 23}{2}=69$
これを一般的な文字で書いたのが上記の証明です。

以下では等差数列の和の公式について,新たな視点を二つ提供します。

視点1:台形バージョン

末項を $l$ とおくと,$l=a+(n-1)d$ であるので,冒頭の公式から $d$ を消去して
$S=\dfrac{n}{2}(2a+l-a)=$ $\dfrac{1}{2}n(a+l)$
と書くこともできます。

この公式は数列の値の平均 $\dfrac{a+l}{2}$ と項数 $n$ をかけたものが総和 $S$ であると解釈することができます。先ほどの証明をイメージすると覚えやすいでしょう。

こちらのバージョンの方が冒頭の式よりも覚えやすいので,こちらのみ覚えてもOKです(必要に応じて $l=a+(n-1)d$ を用いて冒頭の式にすぐ戻せます)。

視点2:自然数の和の公式

自然数の和の公式だけ覚えていれば等差数列の和の公式を瞬時に導出することができます!

(導出)
$S=a+(a+d)+(a+2d)+\cdots +\{a+(n-1)d\}$
を $a$ の部分と $d$ の部分に分ける:
$S=na+d\{1+2+\cdots +(n-1)\}$

ここで,$1+2+\cdots +(n-1)=\dfrac{n(n-1)}{2}$ である(→べき乗の和の公式,この公式は使う機会が非常に多いので絶対覚えて下さい)ので,$S=na+\dfrac{nd}{2}(n-1)$

つまり,等差数列の和の公式は自然数の和の公式と似たようなもの(1次変換しただけ)というわけです。

教科書レベルの公式を解説するときも.教科書に載っていないような視点,ネタを提供できるように頑張りたいです。

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