2016/01/16

定積分で表された関数の微分の公式

分野: 積分  レベル: 入試対策

定積分で表された関数の微分の公式:
$\displaystyle\frac{d}{dx}\int_a^xf(t)dt=f(x)$

この公式の証明,例題,より一般的な公式について解説します。

公式の証明

定積分の(高校数学における)定義をきちんと理解していれば証明は難しくありません。

証明

$f(x)$ の原始関数の1つを $F(x)$ とおく。つまり $F'(x)=f(x)$ である。

このとき,定積分の定義(→注意)より,
$\displaystyle\int_a^xf(t)dt=F(x)-F(a)$
なので,これを $x$ で微分すると $F'(x)-0=f(x)$
となる。

注意:$\displaystyle\int_a^xf(t)dt=F(x)-F(a)$ は高校数学における定積分の定義そのものです。なお,大学以降では定積分はリーマン和で定義する場合が多く,この式は「定理」になります。→なぜ定積分で面積が求まるのか

簡単な例題

第一種ヴォルテラ積分方程式(←名前かっこいい)と呼ばれるタイプの積分方程式です。

例題

$\displaystyle\int_a^xf(t)dt=x^2-2016$
を満たす関数 $f(x)$ および定数 $a$ を求めよ。

解答

両辺を $x$ で微分すると(左辺に冒頭の公式を使う),
$f(x)=2x$
が分かる。

さらに,もとの式に $x=a$ を代入すると,
$a^2-2016=0$ となる。
よって,$a=\pm\sqrt{2016}=\pm 12\sqrt{14}$

より一般的な公式

$\displaystyle\frac{d}{dx}\int_{p(x)}^{q(x)}f(t)dt=f(q(x))q'(x)-f(p(x))p'(x)$

例えば $\displaystyle\frac{d}{dx}\int_{2x}^{\sin x}e^tdt=e^{\sin x}\cos x-2e^{2x}$ という感じです。公式を覚えるというよりも導出方法を理解してください。

証明1(冒頭の公式の証明と同じノリ)

$f(x)$ の原始関数の1つを $F(x)$ とおくと,公式の左辺は
$F(q(x))-F(p(x))$ となる。
これを $x$ で微分すると(合成関数の微分公式より),
$f(q(x))q'(x)-f(p(x))p'(x)$ となる。

証明2(冒頭の公式を使う)

公式の左辺を変形していくと,
$\dfrac{d}{dx}\left(\displaystyle\int_0^{q}f(t)dt-\int_0^{p}f(t)dt\right)\\
=\dfrac{dq}{dx}\dfrac{d}{dq}\displaystyle\int_0^{q}f(t)dt-\dfrac{dp}{dx}\dfrac{d}{dp}\int_0^{p}f(t)dt$
ここで冒頭の公式を使うと,上式は
$\dfrac{dq}{dx}f(q(x))-\dfrac{dp}{dx}f(p(x))\\
=f(q(x))q'(x)-f(p(x))p'(x)$
となる。

高校数学では積分方程式という言葉は登場しませんね。

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